王者の新キャプテン・篠田龍馬の覚悟とブレない生き様。「失敗は次に生かさないとダサい」
主将としてのプレッシャーはない。ただ…
──キャプテンとして迎える今シーズンは、例年と比べて気持ちの変化やプレッシャーはありますか?
いえ、プレッシャーは感じてないですし、気持ちも例年とそんなに違いはないですね。今シーズンは選手がある程度入れ替わりましたが、キャプテンとしてすることは特にないかなと思っています。僕は元々、言葉で引っ張るタイプではないので、今まで通りプレーして、何かあったときにチームのためになれる行動をする。それはキャプテンだろうが、そうじゃなかろうが変わらないので、いつもと同じですね。
──では、キャプテンとして特別何かをするようになったわけではない。
そうですね。中心選手やムードメーカーが抜けて、雰囲気は大人しくなったかなという感じはありますけど、ピッチに入ればみんな真面目なので、僕がやることはないかなと。
──「プレッシャーがない」とのことでしたが「自分がキャプテンになったシーズンにもしもリーグタイトルを落としてしまったら……」という不安はありませんか?
キャプテンとしてはないですね。ただ、一人の選手としては、常にそのプレッシャーはあります。毎年その戦いで、弱い気持ちになるときもあります。でも、基本的には今までそこに打ち勝ってきたからここにいますし、自分の場合はその数が多い。
──弱い気持ちになってしまったとき、心が折れかけるようなことはありませんか?
GKなので、自分のミスで負けてしまうことはあります。そういう経験をしすぎていて、その度に「またこんなことしているのか」「自分はダメなのか」と思うときはありますけど、そこからなんとか持ち直していくことで力がついてきました。ミスをして負けてしまったり、良くないときは逃げ出したくなることもあります。でも、それで終わったら失敗のままで終わりますし、次に生かさないとダサい。つらいことに耐えて、また起き上がるのはしんどいですけど、悔しい経験を繰り返してきたことで成長してきました。初めてリーグタイトルを落としてしまったときもそうでしたね。
──逃げ出したくなるようなときに踏み止まれるのは、根本に「強く生きたい」という思いがあるからでしょうか?
そうですね。後ろで守っている人間ですし、他のチームのGKより結果に対する責任を背負っていると思っています。その経験できる人間は一握りなので、それを生かさない手はありませんし、人間としても間違いなく成長できるはずです。ダメなときでも強い自分でいられるのは大事なことだと思いますけど、そういう能力だけは人より持っていますし、弱いままで終わったら格好悪いので。
──篠田選手個人としては、関口優志選手が移籍したことも大きな出来事なのかと思います。単純な考え方をすれば、出場機会を半々に分けていたライバルがいなくなったことは、メリットなのかもしれないです。でも、今までの2人の関係性を見ていても、それだけでは片付かないように思えますが。
優志が移籍したのは、選手としてはいいことだと思いますけど、やはり寂しい気持ちがあります。6シーズンも一緒に過ごして、長い時間を共有してきたので、2人にしか分からないことがたくさんありました。今シーズンはケガを治して、よりいいコンディションで敵としてピッチに戻ってくるので、僕はそこに負けないようにしたいですね。
──今シーズンはY.S.C.C.横浜から復帰した田淵広史選手とポジションを争うことになります。
ラファ(田淵)は成長して帰ってきましたが、「自分は自分」という考え方で僕らはいます。より多くの試合に出ないといけない。出場機会は増えなければいけないですし、そこで自分の力を示さなければいけません。
いつ、どうなってもいいように毎日を過ごしている
──今シーズン、個人としての目標はありますか?
チームが一番なので、まずはチームを勝たせることですね。そこで自分が多くの試合に出てすべてのタイトルに貢献する。それが短期的な目標です。
──中長期的な目標はどんなものがありますか?
長くこのチームでプレーしていたいですね。名古屋オーシャンズはシビアな世界なので、1年1年が勝負だと思って常に過ごしています。なので自分がいつ、どうなってもいいように毎日を過ごしているつもりです。キャプテンだろうが、そうでなかろうが、ダメならそこで終わる世界です。やってきたことが全部返ってくると思っているので、そうなったときに後悔しないように日々を過ごしたいです。
──篠田選手が名古屋以外でプレーしている姿は想像しにくいですが、もしも名古屋を退団することになったら……?
正直、名古屋以外のチームでやるつもりはないですね。このクラブを契約満了になったときが引退だと思っています。「唯一のプロクラブだから」とかではなく、このチームでずっとプレーしているので、違うチームで続けようとは思わないです。だからこそ、毎日を大切にしていきたいです。
──日本代表への思いはいかがですか?
代表は若返っていますけど、入りたい気持ちがありますし、一番は優志と一緒に選ばれたいと思っています。でも、それを僕が言える状況ではないので、地に足をつけて、チームでの成果と多くの試合に出ることを考えています。
──次のW杯は2年後になるので、そのとき篠田選手は34歳になります。当然そこも目指しているのでしょうか?
もちろん出たいと思っていますし、前回大会だって出たかったです。34歳になりますけど、体も問題ないと思っているので、まずはチームで結果を出すことに尽きます。評価するのは自分ではないですし、そんなことを言える立場ではない。なので自分は自分にできることをして、チャンスが来たときにそれを掴めるよう準備しておく。結果を出していたらチャンスは来ると思っています。いろいろな意味で覚悟は決まっているので、恐れるものはありません。
──篠田選手の考えはいつもブレないですね。
他の選手より優れてないので、思いを貫いたり、継続することで生き残っていると思っています。失敗したときにしっかり立ち上がって、上に行くというのをしてきました。名古屋の選手になる前から常に挫折を繰り返しているので、耐性は人よりあると思います。
──そうした考えは元を辿ると、どこにありますか?
小学校、中学校のときの経験が大きいと思っています。小学生のときはドッジボールしていましたが、厳しいチームでした。中学生のときに所属していたサッカーチームも人間形成に重きを置いていた。中学のときは試合に全然出られなかったのですが、そのとき経験も大きいです。上手くいかないことの方が当たり前の中で育ったので、なにくそという気持ちはずっと持ってやっていました。一人の人間として、試合出られず不貞腐れるのはダサいと思っていましたし、それを他人のせいにするのはかなり格好悪い。今、自分にできることをしないのは違うなと思って、ずっと取り組んできています。だからこそ、先ほども言ったように恐れるものはないですね。
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