冬の移籍市場で“攻撃陣補強なし”のアーセナルを「最大の失敗」と専門メディアが酷評!「トップ6が遠くなっていく」と嘆く声も
プレミアリーグの冬の移籍市場が1月31日をもって締め切られ、アーセナルの補強は非常に寂しいものに終わった。
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今冬の課題として、中盤と前線の戦力の獲得は絶対的な義務といわれていたが、ターゲットとしていたセルビア代表FWのドシャン・ヴラホビッチはユベントスとの争奪戦に敗れ、レアル・ソシエダのサレクサンデル・イサク、ユベントスのアルバロ・モラタらストライカーの獲得も失敗、中盤でもアルトゥールは結局ユベントス残留で落ち着いている。獲得できたのはアメリカ人DFのオーストン・トラスティーだけで、こちらもチーム合流は今夏になる。
一方、もうひとつの課題に挙げられていた余剰戦力の整理については、規律違反で長くチームから離れていたピエール=エメリク・オーバメヤンとの契約解除(後にバルセロナ加入)、エインズリー・メイトランド=ナイルズがレンタルでローマへ、カラム・チェンバース(→アストン・ビラ)、セアド・コラシナツ(→マルセイユ)、パブロ・マリ(→ウディネーゼ)がいずれもフリーで新天地を求め、他にも8人の若手選手が武者修行を継続し、ひとりが契約満了となっている。
アーセナルの専門メディア『PAIN IN THE ARSENAL』が「成功と失敗」と題した記事で、今冬のクラブの動きを評価。前者については、チームに再合流する望みが潰えていた高給取りのオーバメヤンを“処分”できたことを挙げ、夏に向けて財政面で節約ができることをメリットとしたが、「成功はそれだけ」だったという。
守備の選手の放出自体は、彼らの貢献度を考えれば大きな問題ではないとする同メディアだが、それによって起きる怪我人が出た際の層の薄さは、チームにとって「極めて重大なリスク」と指摘。そして、最大の失敗はオーバメヤンの代役を獲得できなかったことだとし、久々にトップ4に入るチャンスがあるというのに、クラブがレンタルでのストライカー獲得すら果たせなかったことを責め、経験の乏しいFWばかりで残りのシーズンを乗り切ることを選んだチームが、終盤戦で致命的な事態に陥る可能性があると警告した。
一方、サッカー専門メディアの『football.london』はコラシナツ、マリ、メイトランド=ナイルズ、チェンバースといった守備の選手が去ったことで(また、それに代わる戦力の補強がなかったことで)「守備の強化への期待もなくなった」と批判的。CBについては、ベン・ホワイト、ガブリエウ・マガリャンイス、ロブ・ホールディングの3人だけで、冨安健洋が代役を務められるという程度である。
その冨安の主戦場である右SBも、彼以外のオプションは移籍に噂があったものの残留したセドリク・ソアレス、そしてホワイトのコンバートぐらい。冨安は右足ふくらはぎの負傷により、パフォーマンスが安定しないセドリクが大きな負担を背負うことになる。
このような状況について、同メディアは「残りのシーズンでアーセナルはリーグ17試合を戦うだけかもしれないが(FAカップもカラバオ・カップもすでに敗退)、ひとつのポジションから多くの選手を放出したことは、クラブに大きなリスクを負わせている。ガブリエウ、ホワイト、ホールディング、トミヤスが利用できなくなった場合、ミケル・アルテタ監督は不釣り合いな起用を強いられることになる」と指摘した。
もちろん、ファンは誰ひとりとして今回の移籍市場には満足しておらず、とりわけ攻撃選手の交渉をひとつもまとめられなかったエドゥSDに対しては、「一生懸命に働いているのか?それとも何もしていないのか?」「他チームが強化に余念がないのに、アーセナルは役に立たない構想を立てるばかり」「トップ6が遠くなっていく……」などと批判の声が寄せられている(日刊紙『DAILY STAR』より)。
奇しくも、アーセナル専門メディア『Just Arsenal』は移籍市場の最終日に公開した記事で、アルテタ&エドゥ体制で獲得した全選手を10点満点での採点で評価しているが、昨夏に加入した選手に対しては軒並み高採点(アーロン・ラムズデイルが「10」でトップ、冨安は2番目の評価となる「9」、ホワイトが「8」等々)。チーム力を飛躍的に上げたことによって大絶賛されたこの補強が、より今冬の“寂しさ”を際立たせることとなってしまったようだ……。
構成●THE DIGEST編集部
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