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【2023年夏海外日本人移籍プレイバック・前編】イタリア初上陸、日本屈指のプレーメーカーからパリ五輪世代最強ボランチまで

主要国では6月から7月にかけて解禁されていた欧州サッカーの移籍市場は佳境に入り、各クラブが活発な動きを見せてきた。そんな中でも今夏はステップアップを求めて新たなクラブへの移籍を目指す選手や、日本から成長を求めて海外挑戦を決断した若手の有望株の移籍が目立った。今や欧州でキャリアを築くのが主流となっている日本サッカー界において、自身の成長を求めてチャレンジするサムライたちの今夏の主な動向を振り返っていきたい。(文・井本 佳孝)

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鎌田大地(フランクフルト→ラツィオ)

鎌田大地(写真:PA Images/アフロ)

鎌田大地(写真:PA Images/アフロ)

今夏の日本代表クラスの移籍で最も注目を集めていたのが鎌田大地。サガン鳥栖から2017年夏にフランクフルトに挑戦すると、移籍1年目は出番に恵まれず苦しいスタートとなった。それでも、翌年レンタル移籍したベルギーのシント=トロイデンでは1年間で公式戦16ゴールを挙げるなどブレイクし、レンタル元のフランクフルトへ復帰。また、日本代表へでも初出場を果たすなど、海外における自身の居場所を作り始める。

2019年夏に復帰したフランクフルトでは4シーズンにわたり主力としてプレーし、2021-22年シーズンにはクラブの42年ぶりヨーロッパ・リーグ制覇に貢献。昨季挑んだ初のチャンピオンズ・リーグでは3試合連続ゴールを奪うなど飛躍の1年に。また、トップ下だけでなく一列下げたボランチや日本代表ではセンターハーフも務めるなど、中盤のマルチロールとして評価を高めた鎌田は、クラブとの契約が切れた今夏の注目銘柄の一人となった。

当初移籍濃厚とされていたのはイタリアのミランだったが、上層部が辞任するなど状況が一転し破談に。その後もレアル・ソシエダなどが候補に挙がったなか、最終的にはラツィオへの移籍が決定。昨季のセリエAで2位に入った名門に背番号「6」で迎い入れられた鎌田は、今夏移籍したセルビア代表MFセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチの後釜、インサイドハーフのレギュラーとして期待される。初挑戦のイタリアの地に適応できるか、新たな気持ちで迎える勝負の1年となる。

■上田綺世(セルクル・ブルージュ→フェイエノールト)

上田綺世

写真:ANP Photo/アフロ

鹿島アントラーズから昨夏ベルギーのセルクル・ブルージュへ移籍し海外挑戦を果たした上田綺世は、開幕当初こそ適応に時間を要したが、徐々に存在感を高めるとシーズン終盤には押しも押されもせぬエースの座に君臨。1年目から22ゴールを挙げ得点やンキング2位に入る大活躍を見せ、日本人ストライカーとしてはスコットランドリーグで得点王に輝いた古橋亨梧(セルティック)と並んで欧州の地で結果を残し、その価値を高めた。

今季で25歳を迎えた上田は1年でのステップアップを求め、移籍を模索していたが、新天地に選んだのはオランダのフェイエノールト。かつて小野伸二(現コンサドーレ札幌)や宮市亮(横浜F・マリノス)と日本人選手がプレーした“ビッグ3”に移籍を果たした。昨季リーグ制覇しているフェイエノールトは、CLへの出場も決まっている。ベルギーからオランダへとリーグのレベルが変わり、欧州最高峰の舞台への挑戦権も手に入れた万能ストライカーはレギュラー奪取と得点源として存在感を示せるか。

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