箱根駅伝2026 往路結果|青山学院が大逆転で優勝!青学・黒田が「新・山の神」に

年明け最初に行われる日本最大規模のスポーツイベントといえば、「箱根駅伝」を思い浮かべる人も多いだろう。毎年1月2日、3日の2日間にわたって、東京・大手町〜箱根・芦ノ湖間を10区間・217.1kmで競う、日本で最も注目される大学対抗駅伝である。

2026年で102回目を迎えた今年の「第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)」。本日1月2日に行われた往路は、青山学院大学が5時間18分08秒の往路新記録で往路優勝を果たした。2位は早稲田大学、3位は中央大学という結果になり、青山学院大学にとって史上初の2度目の3連覇に向けて大手がかかった。

箱根駅伝は全10区間で行われ、往路は「1区〜5区」、復路は「6区〜10区」に分かれる。
往路は東京・大手町をスタートし、箱根・芦ノ湖でフィニッシュ。復路はその逆で、芦ノ湖から大手町へと戻るコースとなる。コース設定は毎年同じで、往路と復路は同一ルートを往復する形だ。

本稿では、往路の結果速報とともに、箱根駅伝がなぜ毎年これほどまでに注目を集めるのか、そして明日の復路の展望について紹介していく。

【結果】箱根駅伝2026 往路

第102回箱根駅伝・往路の優勝は青山学院大学が勝ち取った。5区の小田原中継所でトップと2分12秒差があったが、大エース・黒田(4年)が見事な山登りを見せ、大逆転で往路優勝を勝ち取った。5区の区間記録は、同校の先輩にあたる若林宏樹が持つ1時間9分11秒だったが、黒田は約2分も記録を縮める1時間7分16秒でゴール。圧巻の走りで、史上初の2度目の3連覇に大手をかけた。

往路の順位一覧

順位 大学名 記録
往路優勝 青山学院大学 5:18:08(往路新)
往路2位 早稲田大学 5:18:26
往路3位 中央大学 5:19:44
往路4位 國學院大学 5:20:02
往路5位 城西大学 5:20:20
往路6位 順天堂大学 5:21:49
往路7位 駒澤大学 5:23:00
往路8位 創価大学 5:24:02
往路9位 日本大学 5:25:00
往路10位 東海大学 5:26:10
往路11位 中央学院大学 5:26:22
往路12位 山梨学院大学 5:27:28
往路13位 東京農業大学 5:28:02
往路14位 神奈川大学 5:28:25
往路15位 東洋大学 5:28:55
往路16位 日本体育大学 5:30:04
往路17位 帝京大学 5:30:25
往路18位 大東文化大学 5:30:43
往路19位 東京国際大学 5:30:45
オープン参加 関東学生連合 5:32:02
往路20位 立教大学 5:33:05

今年の箱根駅伝、往路のレース展開まとめ

波乱の幕開けとなった。2度目の3連覇を狙う青山学院大学は、1区を16位で終え、1区トップでタスキをつないだ國學院大学から約1分30秒差と、大きく出遅れる展開となった。一方の國學院は、箱根駅伝初優勝に向けて幸先の良いスタートを切った。

各校のエースが集う「花の2区」では、中央大学の溜池(4年)が早々に國學院を抜いて1位に躍り出た。ただ、この区間で大きな注目を集めたのは城西大学のヴィクター・キムタイ(4年)だ。区間記録を22秒更新する1時間5分9秒の区間新記録を樹立する圧巻の走りを披露。また、キムタイについていった早稲田大学の山口(4年)も順位を上げた。

1位中央、2位城西という状況の中、3区でじわじわと差を詰めてきたのが名門・駒澤大学だった。帰山(4年)の快走により、城西との差は9秒まで縮まる。一方、1区16位と出遅れた青山学院大学は、3区終了時点で8位まで順位を押し上げ、依然として優勝争いに踏みとどまる姿勢を見せている。

4区は、依然として中央大学が1位の独走状態を保つ一方で、後続との差が縮まる展開となった。なかでも、早稲田大学のスーパールーキー・鈴木(1年)が区間賞を獲得するなど素晴らしい走りを披露し、往路最後の5区へとタスキをつないだ。また、青山学院大学も4区でついに5位まで順位を上げ、大エース・黒田(4年)に最後を託した。

箱根駅伝において最大の難所とされるのが5区である。標高約874メートルの最高地点まで、約16キロにわたる急勾配の山道を駆け上がる過酷なコースだ。この5区で圧倒的な走りを見せる選手には「山の神」という称号が与えられ、その名は後世にまで語り継がれる。

5区に入ると早々に、早稲田大学の中でもメガネ姿と山に強いこと、また名前からも「山の名探偵」と称される工藤(3年)がトップに躍り出た。もし早稲田がこのまま往路優勝を果たせば、18年ぶりの快挙となる。しかし、そこに待ったをかけたのが青山学院大学の黒田だった。黒田は山で5位から2位まで順位を押し上げ、残り約5km地点でトップの早稲田を視界にとらえる。小田原中継所ではトップと2分12秒差があったが、残り約1.5km地点でついに逆転。そのまま山を下り、平地でも自慢の走力を発揮して最後まで駆け抜け、青山学院大学を8度目の往路優勝へと導いた。黒田は区間記録を約2分も更新する1時間7分16秒(区間新)でゴールテープを切った。

青山学院大学が往路優勝した理由

当日のエントリー変更で、昨年10区の区間賞を獲得した小河原(2年)を1区に起用したが、まさかの16位でタスキリレー。先頭集団に大きく遅れを取る形でのスタートとなってしまった。
しかし2区の飯田(2年)が11位、3区の宇田川(4年)が8位、4区の平松(3年)が5位と、着実に順位を上げ、好位置で5区のエース・黒田(4年)へとつないだ。

ルーキー時代から青山学院を率いてきた黒田は、大一番で大記録を樹立し、往路優勝を飾る走りを見せた。5区・小田原中継所ではトップと2分12秒差があった状況を帳消しにし、2位・早稲田に19秒差をつけてゴール。実況や解説も「お化け記録」と評する、とてつもないスピードで山を駆け上がり、「これがエースだ」と強烈な印象を残した。

もっとも、黒田の快走は決して一人の力ではない。2区から4区にかけてコツコツと順位を押し上げてきた選手たちの走りがあってこそ、この逆転劇は成立した。「1区・小河原の分も全員で取り戻す」—— その気持ちを体現し全員駅伝でつないだことが、今回の往路優勝の最大の勝因と言えるだろう。

箱根駅伝はなぜ毎年ここまで盛り上がるのか

箱根駅伝は、単に大学トップレベルのランナーが集い、順位を争う大会だから盛り上がっているわけではない。この大会は、日本の正月において「スポーツ」と「人生ドラマ」が同時に描かれるからこそ、毎年大きな注目を集めている。

4年生にとっては、まさに最後の大会だ。引退、就職、進学など、それぞれの人生の節目を迎える前のラストランとなる。実業団に進み、競技を続ける選手もいれば、この箱根駅伝をもって競技生活に区切りをつける選手もいる。そんな思いを一本のタスキに込め、仲間へとつないでいく。その姿が、単なる順位争いを超えた感情を生み出している。

もちろん、記録が塗り替えられれば、それは速報として各スポーツメディアが取り上げる。今年で言えば、青山学院大学が1区16位という位置からスタートし、まさか往路1位でフィニッシュする展開を誰が予想しただろうか。こうしたドラマティックな展開を楽しめるのも、箱根駅伝の大きな魅力のひとつである。

テレビで観ていると、もしかすると「ただ走っているだけ」に見えるかもしれない。しかし、それぞれのランナーが背負う物語や、高校時代から続く先輩・後輩の関係、ハラハラするような逆転劇など、結果や順位以外の要素を知れば知るほど、この大会はより深く楽しむことができる。それこそが、箱根駅伝が多くの人を惹きつけ続ける理由だろう。

復路はどうなる?優勝争いの行方

往路優勝で勢いに乗る青山学院は、史上初となる2度目の3連覇に王手をかけた。大エース・黒田のラストイヤーに、チームとしても歴史的な大記録を樹立できるか。

一方、2位の早稲田とはわずか19秒差。復路での逆転優勝も十分に射程圏内だ。中央、國學院も同様に虎視眈々と頂点を狙う。また、昨年は復路優勝で総合準優勝を果たした駒澤は、往路を終えて7位。伊藤(4年)、佐藤(4年)、山川(4年)ら大学トップクラスのランナーを擁しており、ここからの逆襲にも大きな注目が集まる。

青山学院の2度目の3連覇か、それともどこかが待ったをかけるのか。復路は1月3日、今度は箱根から激闘の幕が上がる。