
【独自取材】アウトドアスパイス「ほりにし」がヒットしたワケ。堀西さんが語った中毒性の秘密
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アウトドアスパイス ほりにし誕生秘話
堀西さんが手掛けた「ほりにし」
▲「ほりにし」の開発を担当した堀西さん
「ほりにし」は、和歌山県の有名アウトドアショップ「Orange(オレンジ)」が2019年4月に発売した万能調味料。同店のマネージャー堀西晃弘(あきひろ)さん(39)がプロジェクトリーダーを務め、商品化を実現しました。肉はもちろん、魚や野菜に合う調味料として、発売からわずか1年でキャンパーの食卓を席巻。キャンプをしない人の間でも愛用者が増えています。
日本人に合う調味料の秘密
「ゆっくりビールが飲みたい」から5年の道のり
「キャンプでちょこっとお酒を飲むのに、おかずがもっと簡単に作れないのかな」
釣りやキャンプなどのアウトドア好きを買われ、Orangeの店舗立ち上げからかかわる堀西さん。料理店での修行経験の持ち主ですが、キャンプをする中で特に不満に思っていたのが、準備に時間がかかり、楽しみなお酒の時間が短くなってしまうことでした。
「キャンプに行って昼にチェックインすると、テントなんかの設営が終わったと思ったら、次はすぐに料理。飲み始めるのは、夕方ぐらいになってしまうのがもったいないんですよね」
それもそのはず。堀西さんの楽しみは、キャンプ場でのビール。手の込んだ料理は家族といるときだけにしたいもの。ソロキャンプに感じたふとしたお酒好きの思いから、当初に想定していなかった商品化までの長い道のりが始まることになります。
中毒性の秘密は「日本人ぽさ」にあり
目指したのは、「日本人の舌に合い、キャンプでの肉料理に合う味」。当初は自分たちで市販品を配合して万能調味料作りを始めます。しかし、市販品では細やかな味の調整もできず、自前での開発の限界を知りすぐに断念。スパイスを調合してくれる企業を探し出して協力を依頼し、調味料の専門家にサンプル作ってもらいました。
商品化までに試作したのは、約70パターン。日本人の舌に合うイメージは、しょうゆのパウダーを使用することで、日本人なら誰でも好むベースの味に。さらにフランス料理でソースのベースにも使われる香味野菜(ミルポワ)のパウダーを使用することで、和食にも洋食にも合う万能性を高めました。
販売してもよい味に仕上がってはいましたが、「何かが足りない」と感じていた堀西さん。決め手となるスパイスを探します。
「何かが足りない」。最後に解決した「和歌山らしさ」
最後に解決したのが、ミカンの果皮を乾燥させた「陳皮(ちんぴ)」。柑橘の爽やかさで脂っこい料理に合わせやすくなるのはもちろん、名産品がミカンの和歌山らしさと店名「Orange」のイメージを追加。約20種類のスパイスをブレンドを混ぜた「ほりにし」が、構想から5年を経てついに完成しました。
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