
最高の一瞬『侍が走る』U20 世界陸上 落合晃選手
前回、前々回と紹介した久保凛選手と同様、8月末にペルーのリマで行われたU20世界陸上に参加した、落合晃選手の写真です。高校3年生。男子800mで銅メダルに輝きました。
これは決勝でのゴールの写真なんですが、エチオピアの選手(右)が1位でオーストラリアの選手(中央)が2位。落合選手は最後の直線で、この2人がいて前に出られなかったので、外に膨らんで何とか順位を上げようと思って、この位置(左から2人目)に来ました。
もう、前2人にわずかに及ばす、落合選手が銅メダルだったというシーンです。U20のクラスといっても、メダルを獲得するのはなかなかないことなので、これはすごいなと。記念すべきというか、歴史に残るような1枚じゃないかなと思って選んだ写真です。
落合選手はパリオリンピック出場を狙っていて、今年6月の日本選手権で参加標準記録(1分44秒70)の突破を狙っていましたが、1分46秒56とおよばすにかなり悔しがっていました。このときも3位なんですけど、優勝を狙っていて、本当に悔しそうでした。
彼を撮っていると、何か侍みたいなものを感じますね。何回か声をかけて写真を撮らせてもらったんですけど、照れたり、はにかんだりしながら、ちょっと緊張した感じ。チャラチャラしてる感じがなくて、それでまたちょっと引きつけられるんです。
▼岸本勉(きしもと・つとむ)
1969年生まれ、東京都出身。
10年余りスタッフフォトグラファーとして、さまざまな国内外のスポーツイベントを撮影。2003年に独立、「PICSPORT(ピクスポルト)」を設立。良くも悪くも人の記憶に残る写真を撮ることを心がけている。オリンピックは夏季冬季合わせて15大会、FIFAワールドカップは7大会、ほか国内外問わず多くのスポーツイベントを取材。2015年FINA世界水泳選手権カザン大会より、オフィシャルFINAフォトグラファーを担当。国際スポーツプレス協会会員(A.I.P.S.)/日本スポーツプレス協会会員(A.J.P.S.)
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