
最高の一瞬『代役で撮った写真_スノーボード』
これはスノーボードのハーフパイプの写真です。
モデル撮影で、福島県の会津高原南郷スキー場というところで撮りました。快晴になることがほとんどない場所らしいんですが、当日は地元の人が「久しぶりですよ」というくらいの青空になりました。僕自身は結構“晴れ男”を自認しています。
空を飛んでいるような写真が撮れたのですが、これは僕がハーフパイプのリップという縁のところに寝転がって、空を見上げるかたちで撮ったものです。
ハーフパイプの写真は、そのリップの部分が写っていないと意味がないと言われています。要はリップが写っていないと、選手がどれだけ高く飛んでいるかがわかりにくいらしんです。ただ、これだけ下からあおったらそれも関係なく、十分高さを表現できたのではと思います。
実はこれ、当初予定していたモデルさんが来れなくなって、急遽現場で代わりを探して撮影したものなんです。ハーフパイプのところで、うまくできる人を探して声をかけるしかないなと。
すると、一人だけ明らかに高く飛んでいる人がいた。その人にお願いしてモデルを引き受けてもらって撮影しました。それが重野秀一郎という、今まだ高校生ながら将来を嘱望されているハーフパイプのアスリートだったんです。
これも写真展で出したんですが、一応本人にもお知らせしていました。そうしたら海外の転戦の忙しい合間にわざわざ見に来てくれました。制服姿で。
めちゃめちゃいい選手です。
▼髙須力(たかす・つとむ)
1978年東京都出身。2002年より独学で写真を始め、サッカーを中心に幅広い競技を撮影。FIFAワールドカップは2006年ドイツ大会から2022年カタール大会まで5大会連続取材中。ライフワークでセパタクロー日本代表を追いかけている。ANSP(日本スポーツ写真協会)会員。AJPS(日本スポーツプレス協会)会員。AIPS(国際スポーツプレス協会)会員。
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