最高の一瞬『重量級の迫力_柔道』

 

2019年の柔道の世界選手権。男子100kg超級の試合の写真です。

 

柔道と言えば、日本人から見ると1本。技を仕掛けて綺麗に相手を投げるところなどが画になりますし、それを撮れたらうれしいです。しかし、重い階級の試合になっていくと、やはり動きもゆっくりしてくるし、あまり派手な動きもありません。

 

ただ、お互いにものすごい力で押し合ったり、引っ張り合ったりしているんだろうなというのはわかるんです。だからどうやったら写真でその迫力みたいなものを出せるのかなと、いつも頭を悩ませます。

 

この写真は、組手を狙う瞬間で奥のブラジル人選手がいい目をしています。目力にすごく惹かれたものです。

 

手前の選手が写っている状況で、奥のブラジル人選手は顔が半分以上見えていません。だけど目だけは見えていて、眼光が鋭い。ここに重量級の力強さを想像してもらえたらいいなと思っています。

 

おそらく新聞などのメディアでは、こういう写真は顔が見えていなので使えないとなってしまうでしょう。でも、僕は見えないからこそいいと思ってるところがあります。個人的にも好きな写真です。

 

 

▼髙須力(たかす・つとむ)

1978年東京都出身。2002年より独学で写真を始め、サッカーを中心に幅広い競技を撮影。FIFAワールドカップは2006年ドイツ大会から2022年カタール大会まで5大会連続取材中。ライフワークでセパタクロー日本代表を追いかけている。

ANSP(日本スポーツ写真協会)会員
AJPS(日本スポーツプレス協会)会員
AIPS(国際スポーツプレス協会)会員

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