最高の一瞬『動きが揃う瞬間_パシュート(自転車)』
これは2018年に、インドネシアのジャカルタで行われた、アジア大会のものです。自転車の男子チームパシュートの写真です。
日本のこの4人組のチームは銅メダルを獲得しましたが、事前に実力があるとの情報があったので、撮りに行きたいなと思っていました。
2021年の東京オリンピックの自転車の会場は伊豆でしが、このときもやっぱり会場はジャカルタ市内からはちょっと離れていて、1人タクシーですごく北のほうの会場へ行った記憶があります。
このパシュートは、スローシャッターで流し撮りをしたいと思っていました。
この競技は、いかに4人がリンクするかが大切で、できる限り同じ動きをすることでタイムがどんどん速くなるそうなんです。つまり、流し撮りをすると全員がカチっと止まって見えるのがベストということになります。
ただ、やはりすごいスピードで、写真を見てもわかる通り、目の前の選手の自転車とはわずか30センチくらいしか離れていないなかで走るので、ちょっとしたミスが命取りになります。
そうしたなかで、みんなの動きがこうしてバシって決まると、全員が本当に同じ動きしているのがよくわかるんです。先頭の選手だけ少しブレていて、3番目の選手がちょっと内側のレーンを走ったりしています。しかし、何回か撮ってみたなかで、この競技のスピード感だとか、揺れがあまり来ない状態の1枚が撮れた瞬間でした。
他の国のチームを撮ったときは、全然こんなにきれいに撮れませんでした。メダルを獲ったくらいなので、それぐらいの実力だとこういうふうに撮れるんだなというのがわかりましたね。
▼田中伸弥(たなか・しんや)
1977年東京都生まれ。
成安造形大学芸術学部芸術学科写真コース卒業。
日本ジャーナリスト専門学校卒業。
JCII主催水谷塾6期生。
大学でアートとしての写真を学び、その後専門学校でスポーツ写真の基礎を学ぶ。水谷塾にて更にスポーツ写真の知識や技術を身に付け、現在はフリーランスのフォトグラファーとしてサッカーを中心にジャンルを問わず様々なスポーツを撮影している。
ANSP(日本スポーツ写真協会)会員
AJPS(日本スポーツプレス協会)会員
AIPS(国際スポーツプレス協会)会員
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