THINK SPORTS『インタビュー』

スポーツメディアの定番コンテンツのひとつに、インタビューがある。

人気の選手が、あのプレーのときはどんな気分だったのか、普段どんなことを考えてプレーしているのか、チームメイトや相手のことをどう思っているのか、競技以外のときはどんなことをしてすごしているのかなど、メディアを通してファンが知りたい内容を聞いて、答えてもらうという設計だ。

しかし、聞かれる選手の側としては、何もかも素直に答えたくない状況や内容もある。調子が悪いときは当然あれこれ聞かれるインタビューには答えなくないだろうし、調子がいいときでも隠しておきたい内容はあるはずだ。

ただ、何もかもしゃべりませんでは、話を聞きたいと思っているファンは困ってしまう。まれに選手はプレーだけで見せて、ファンもそれで満足という関係もあるが、やはり何も情報発信がないというのはつまらないだろう。

そこへ来て、最近ではSNSなどを通じて、自ら情報を発信するという選手も増えている。これで、インタビューの価値は薄れてしまっているだろうか。

ところが、選手自ら発信する内容と、インタビュアーが聞き出して返ってくる選手の言葉には、やはり違いが出てくるもので、これはこれで面白い。

話し手と聞き手の信頼関係ももちろん影響しているが、スポーツ選手のインタビューとは、そうしたバランスのもとで成り立っている。

語られているコメントは本音なのか、建前なのか。答えている内容の裏側に真意はないだろうか。そんなことを考えながらインタビューを見聞きするのもまた、スポーツの楽しみの一部だ。

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