最高の一瞬『スピード感を表現する_桐生祥秀(陸上)』

桐生祥秀選手の今年の4月の出雲陸上で撮った写真です。

ボルト選手の時と同じように、スピード感を出した写真が撮りたいと思い、横から撮ることにしました。

桐生選手は10秒01を高校生で出した時からかなり彼を撮りにいっていて、追いかけています。強い桐生選手を出していきたいと思っていますが、この日は手前の5レーンで走っている多田修平選手も含め、みんな必死になっているんですけど、桐生選手に敵わないという感じでした。

腕の筋肉や血管とかが出ていて、いい感じに撮れたと思います。自分のイメージどおりに撮れるかは賭けみたいなところがあります。手前の選手のほうが速ければ、被ってしまうわけですし。

たった10秒なんですけど、いろんな展開がある。それが100mの楽しさでもあり、スポーツを撮るなかでいちばん緊張する競技でもあります。

残念ながら桐生選手はこのあとの日本選手権で敗れてしまい、今年は世界陸上も出られずでした。復活したらまた追いかけたいなと思っています。

▼岸本勉(きしもと・つとむ)

1969年生まれ、東京都出身。
10年余りスタッフフォトグラファーとして様々な国内外のスポーツイベントを撮影。2003年に独立、「PICSPORT(ピクスポルト)」を設立。良くも悪くも人の記憶に残る写真を撮ることを心がけている。オリンピックは夏季冬季合わせて14大会、FIFAワールドカップは7大会、ほか国内外問わず様々なスポーツイベントを取材。2015年FINA世界水泳選手権カザン大会より、オフィシャルFINAフォトグラファーを担当。国際スポーツプレス協会会員(A.I.P.S.)/日本スポーツプレス協会会員(A.J.P.S.)
Instagram:@picsport_japan

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