最高の一瞬『シャッターチャンス_柴崎岳(サッカー)』

私はスペインで撮影をしていますが、日本人のカメラマンなので、やはり日本人選手がいて活躍すると自分も仕事になりますし、期待するところが大きくなります。

特に、日本人選手対レアル・マドリードやバルセロナなどのビッグクラブとの対戦ではテンションが高まり、どんなプレーをするのだろう、どこまでできるかを見たく、そういうものを撮影したいと思っています。

写真は、2018年8月19日のレアル・マドリード対ヘタフェ戦です。

10番をつけた柴崎岳選手が、レアル・マドリードのマルセロとベイルがプレスに来たところを、カカトを使うようなテクニックでかわしたシーンでした。

これをたまたま僕の目の前でやってくれて、僕は広角レンズで撮ることができました。プレーの部分だけでなく、スタジアム全体の空気感、雰囲気なども出ているかと思います。

こういう写真を撮れるのは、運によるところが大きいです。サッカーはどこでどんなプレーが起きるか読めないですから、基本的には望遠レンズで狙っているケースが多いわけです。広角で抑えられるのは、自分の近くで期待したシーンが起こったときになります。

またこのようなビッグクラブの試合では、カメラマンはみんな当然レアル・マドリードが攻めるゴール側にポジションをとりますが、このときの僕は柴崎選手の攻撃する時の部分、つまりボールを触るシーンを期待して、反対のゴール側で待っていました。

でもこれは、ほぼボールが来ないということになります。レアル・マドリードが攻める時間帯が多いですから。シャッターチャンスが来るかどうかわからない。だから運なんですけど、このときは撮れてよかった! と思いました。

彼だけでなく、ほかの選手でも、対バルセロナ、対レアル・マドリードで活躍するシーンはもっと見たいなと思っています。

▼中島大介(なかしま・だいすけ)

1979年生まれ。2006年よりバルセロナ在住。サッカーを中心にヨーロッパ各地で様々なスポーツの撮影、スポーツ選手インタビュー、ポートレートの撮影など。AIPS(国際スポーツプレス協会)会員。バルセロナでカフェも経営。

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