THINK SPORTS『早熟と晩熟』

スポーツ選手の「早熟型」と「晩熟型」が話題になることがよくある。

小さい頃から体の成長が早く、運動面で同世代の子どもより足が速いなど優れたパフォーマンスができる早熟型。

ただ、そういう状況であるがためにとかくスピードやパワーに頼りがちで、年を経て周りの子のスピードやパワーが追いついてくると、技術面で難が出てきたりして小さい頃のようないいプレーができなくなったりする。

そんな早熟型を育てる対策として、小さい頃から、スピードやパワーが同じくらいの年齢などが上のカテゴリーでプレーさせるという方法がある。だが、そうなると年上のお兄さんのなかで気後れしてしまい、うまくいかないケースもあるらしい。

早熟と言っても、精神面も早熟であるとは限らず、このあたりが選手育成の難しいところになっている。

では一方で中学生や高校生になってから体がグンと大きくなって、運動能力も上がって成功する晩熟型が得なのかというと、はっきりしない部分がある。

つまり体や運動能力面が成長したタイミングで、そのスポーツでレベルアップできる環境にいないケースが多々あるからだ。

成長前の段階で能力が認められずに、その選手にとって相応しいチームでプレーできない状況にいる。本人も自信を得られずに、そのスポーツを一生懸命やっていなかったり辞めてしまっていることもある。

このあたりが早熟、晩熟を考える上で非常に悩ましいところ。選手育成に関わる人々の試行錯誤は続くだろう。

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