【パパ、キャンプ場作るってよ。】第8回「建設計画 新たな敵現る後編その1」
救いの手
まず、止まっていた浄化槽サイズの調査が、再び動き出します。
浄化槽は、下水道がない場所でトイレを水洗化するのに必要な器具。キャンプ場の場合のサイズは定員×0.56と決められています。ただ、これでは大きすぎるため、小さいサイズで許可をもらうのに、そのサイズで妥当とする根拠が必要です。
▲浄化槽のイメージ
営業中のキャンプ場に聞くというフェーズでスタックしていました。実はコレ、パパが最も苦手とする種類のタスクなんですよね。
なるべく同じ千葉県内で、同規模のキャンプ場から聞けるのが理想ですが、一応競合にもなりうるので、難しいところ。
「キャンプ場をやっている人しか知らない情報を聞けるような関係性のあるキャンプ場はない」だの、「初対面のキャンプ場に聞いて怒られたら、会社ひいてはキャンプ場の評判が落ちるかも」など…。いろいろ考えてしまうそうです。
事業開発系の仕事をしていたママからすると、「聞かなきゃ始まらないじゃん!」「怒られたら誠心誠意謝るしかないじゃん!!」と、二の足を踏む理由が見当たらないのですが(;^ω^)
パパいわく、唯一の弱点と言っても過言ではないとか…←ママから見たら、他にも弱点いっぱいあるよ!運動とか、運動とか、運動とか・・・w
そんなパパの重い腰が上がり・・・
まずは、知り合いのキャンプ場。
今まで数々のキャンプ場を訪れ、オーナーさんとお話していますが、いざ浄化槽のサイズを聞けるような関係性かと言うと・・・^^;
そんな中、思いついた、清海学園!
以前、シェアオフィスとして借りているとご紹介しましたが(第5回参照)、海に近い立地を生かして、バーベキュー場やキャンプ場としても営業していることを思い出しました。
しかし・・・。
廃校になった小学校の校舎を利用しているので、そもそもが違うらしい。
次は、銀行。
メインバンクにしている信用金庫に、キャンプ場のお客さんがいないか、聞いてもらえるように頼んでみました。
ドラマでの銀行は、おじさんとおじさんが叫びながら土下座しあってたり、経営の厳しい小さな工場に貸し渋ったりと、何かと悪いイメージがあります。しかし、一般的には地域密着で、経営者の相談にのってくれたり、お客さんを紹介してくれたりする良い人たちですw
ところが、残念。見つからず…。
いよいよ、雲行きが怪しくなってきました。
そして、最後は頼みの綱。みなさんご存知、hinata編集部。
パパが、この情報がないとキャンプ場作りが暗礁に乗り上げてしまうと泣きついたのでw、教えてくれそうなキャンプ場をご紹介いただいたり、部署を超えてキャンプ場に質問していただいたり、大変ご尽力いただきました。
この期に及んで、ご紹介いただいたキャンプ場になんて連絡をすればいいかわからない…というパパの尻を叩いて、無事、貴重な情報を教えていただき、それをもとに浄化槽のサイズを決めることができました。
いやぁ、もう、連載もしていただいて、窮地も救っていただいて、これはもう、足を向けて寝れませんな!(∀`*)ゞ←軽w
建築物
そして、浄化槽のサイズが決まったことで、すべての建築物が出そろいました。それぞれを簡単におさらいします。
①管理棟
管理棟は、すでに金銭的な都合から、セルフビルドでログハウス風の小屋を作ることが決まっています。 ▲管理棟のイメージ
②トイレ・炊事棟
トイレ・炊事棟は、おむつやトイトレにも対応でき、小さい子どもがお手伝いしやすい高さのシンクなど、赤ちゃん連れでも使いやすい施設にするために、建築事務所に設計してもらいます。
③シャワー棟
シャワー棟は、家族風呂の代わりになるような、家族シャワーを建築事務所に設計してもらいます。
④浄化槽
浄化槽は、地中に埋めます。地表の部分はコンクリートで、マンホールが見えるので、景観を損なわないように、駐車場や車道の下に設置することにしました。
⑤蒸発散装置
「蒸発散装置」とは、浄化槽の汚水を処理する装置で、地中に埋めます。浄化槽のサイズに合わせて必要な面積が決まり、その上には、人も乗ることができません。浄化槽のサイズが決まらなかったときは、最悪の事態を想定して、大きな蒸発散装置を埋める場所を作ろうと四苦八苦していましたが、サイズが小さくなったことで、ベストな位置に決められました。
マップ確定
▲確定した場内マップ
そして、建築事務所との打ち合わせでは、パパが熟考に熟考を重ねた見取り図を元に、着々と設計図ができあがっていきます。
順調なのは、これまた、パパの用意周到さの賜物で、トイレやシャワーの洗い場、脱衣所のサイズなど、すでに何度もシミュレーションを行い、細かく決まっています。
しかも、はじめての打ち合わせ時に共有した資料に、既に縮尺とともに落とし込まれていたことには、設計士さんもビックリでした(;^ω^)
さらに、塗装や構造などに関しても、設計士さんから「こうなりますけど、大丈夫ですか?」と言われても、大抵のことは事前調査済みなので、「え、初耳!どうしよう?」なんてことは皆無で、どんどん話が進んでいきます。
我々の理想は、コンセプトの「赤ちゃん連れでも使いやすい施設」を実現することです。
そのため、初期費用を抑えて、とりあえず、小さな仮設のものを設置するという考えはありません。
とにかく、子どもの世話をするために、十分なスペースを確保したい!!
すると、別段おしゃれにしたいなどの贅沢なこだわりを発揮しているわけではないのに、建物が大きくなり、こんな施設があるキャンプ場見たことない!と思うくらい^^;
我々にとっては、必要十分、理想であって必須の間取りですが、ふと、冷静になると「こんな立派な施設が、本当にできあがっちゃうの!?」と信じられない気持ちになります。
パパは、予算内では建たないんじゃないかと不安になっていたようですが、ママは、大船に乗ったつもりで、日々を過ごしていました。
そして、ようやく、すべての建築物のサイズが決まり、キャンプ場のマップが最終確定しました!
といっても、実はすでに地縄を3~4回張り直していましたが(;^ω^)
なぜならば、この間に、建築物に関わるエリアの境界が確定し、え?ここ、うちの土地じゃなかったの!?ってなったり、え?ここ、建物たてちゃいけないの!?ってなったり、そもそもの前提が変わってしまったからです。
だから、境界確定って大事なんですね…。
それはともかく、それぞれの建築物の位置は、それぞれの建築物の場所は、誰よりも山を熟知していたパパによって、ここ以外には考えられない!と、即決でした。
トイレは一番遠くのサイトからは遠すぎず、一番近いサイトからは近すぎず・・・かつ、傾斜の少ない場所となると、そもそも選択肢がなかったのですが(;´∀`)
伐採アゲイン
そして、再び伐採の日々。
新たに決まったトイレ・炊事棟の場所の木を切ります。
まずは、細い低木をノコギリやチェーンソーで、バッタバッタとなぎ倒します。
パパがチェーンソーを振り回しているので、ママは切った木をひたすら運びます。
次は中木です。
低木を倒してできた空間をめがけて、パパが切り倒し、ママがひたすら運ぶ。
あれ、どこかで見覚えが?
はい。以前ママが丸太の運び過ぎで腱鞘炎になりかけ、0歳の娘を抱っこできなくなり、伐採が一時中断になりました。
今回は、その経験を活かし、両手で抱えるのではなく、肩に担ぐ。
以前運んでいた丸太よりも格段に細いのでなせる技ですが、腕の力を使って自然と手首まで力が入ってしまうのと、肩に乗せるのでは、疲れ方が全然違います。
ま、細い木でも、見かけによらず重いんですけどね。
一度に運ぼうとまとめて担ぐと、肩えぐれたんじゃないかってくらい痛いんですけどね。
最後に、いよいよ、高木です。
ここで新たな敵が出現します。
その名は、つる。
細い木の太さほどある、つる植物が木に巻き付いていると、切っても倒れません。
つる植物が他の木にも巻き付いているので、切った木が宙ぶらりんになってしまい、引っ張り下ろそうとしても、巻き付く力が強くて、なかなか落ちてくれません。
その強さは、60kgの男性が勢いよくターザンしても全く切れないレベル。
いくつになっても、ターザンはテンションが上りますねwww
いつ切れるかわからないから、アクティビティとして提供できないのが、なんとも残念なところ。
木が高ければ高いほど、つるが絡まっている距離も長く、引っ張るのに力が必要です。
その一方、木は高いほど重く、落下すると危険なので、ぶら下がったままで帰るわけにはいかず、どうにかしなければなりません。
でも、どうやって???地味にピンチです(;・∀・)
本来は、木を倒す方向を調整するために引っ張る道具として購入していた手動ウィンチを使って引っ張ることで、なんとか事なきを得ました。
最後の最後は、もうこれ以上引っ張るスペースがなくなって人力ですが(笑)。
この手動ウィンチの引っ張る力は、0.8トンなので、男性80kgとして10人分くらいの仕事ができるスゴイやつです٩(♡ε♡ )۶
木登りスタート
そして、この、つる植物問題もさることながら、樹高の高さが洒落にならないレベルになってきます。
というのも、植林された山であれば、伐採することを前提として木を植え、管理していくので、どれだけ高い木でも切り倒すスペースがあります。
しかし、自然とできあがった雑木林では、どんなに他の木を切って木を倒すスペースを作ろうとしても、そこには他の木があり、きりがありません。
さらには、管理がされずに月日がたっているので、木々は少しでも太陽を得ようと高く伸び、その隙間に低い木が茂り、高い場所も低い場所も、ところ狭しと木々が生い茂っています。
その木を切るためには、この木を切る必要があって…と、どんどん木を切らなければならなくなってしまい、それは我々のポリシーに反しています。
最小限しか木を切らずに、地形・植生をそのまま活かし、なるべく自然を残したいので、どうしても切りたくない!という太く高い木が、何本もあります。 ▲どうしても切りたくない!直径50cmの立派なヒノキ
ただ、狭いスペースに無理矢理切り倒そうとしても、かかり木になってしまうことは、痛いほどわかっています。
(かかり木とは、伐採した木が予期せぬ方向に倒れかかってしまい、木の先端が地上まで落ちてこず、いつ木が倒れてくるかわからない危険な状態です。詳細は第7回伐採編の「苦労した伐採No.1:ロンギヌスの槍事件」をご覧ください▼▼▼)
【パパ、キャンプ場作るってよ。】第7回「建設計画 伐採編」バッサバッサと伐採じゃ~! 森永ファミリーのキャンプ場作り体験記「パパ、キャンプ場作るってよ。」。千葉県勝浦市に、赤ちゃんでも安心して楽しめる「リスッコ・ファミリーキャンプ場」を作るまでのドタバタ劇を、完全ノンフィクションで赤裸々に連載します。 第7回は「建設計画 伐採編」。約1ヘクタールの土地を購入し、ついに開拓が始まりました。建設計画がなかなか思うように進まずに疲れてきたので、今回は「あぁ楽しや」の伐採作業。実際に汗を流すって、なんて気持ちいいんだろう…。あわや大惨事になりそうな事件に遭遇しつつも、やっとキャンプ場作りの醍醐味を味わえている気がします。 キャンプ場 そこで、新たな作戦として、木に登ることにしました!
登った上で、木の先端部分を切り落とすことで、倒す木の高さを低くしていくという方法です。
え、木に登る?突然言われても…どういうこと?って感じですよね。
わかります。私もパパに言われたときは、そんな印象でした。
木登りと言えば、幼少期に体一つで、枝の分かれ目に手足をかけて…というイメージですよね。
ですが、今回の木は、樹高が10m以上ある上、下の方は枝がないので、手足をかけられる場所がありません。
そこで、今回購入したアイテム「昇柱器(しょうちゅうき)」
▲昇柱器と、2回買い直した靴と緩衝材と。
昇柱器とは、林業で枝打ちする場合や、木製の電柱に昇る際に使われた、靴の上から足につける器具で、爪と言われる刃を木に突き刺しながら登ります。
さらに、胴綱という安全帯で、木の幹に体重を預けて、体を固定しながら登っていきます。
はじめのうちは、昇柱器の爪を上手く幹に刺せなくて足を踏み外したり、胴綱の適切な長さがわからず思い通りに扱えなかったり。
パパが昇柱器と靴の相性が悪いと言い出すと、ママは「またまた~道具のせいにしちゃって( ´,_ゝ`)イヒ」と、パパが脛当てが痛くて緩衝材が必要だと言い出すと、ママは「ま、100均なら使わなくても捨てればいいし~」と、他人事。
というのもママ、高所恐怖症気味なので、絶対登りたくありません。そんなようわからん器具(←失礼w)に、命を預けたくありません( ー`дー´)キリッ
高所恐怖症と言い切れないのは、安全が証明されている橋や展望台はもちろん、スカイダイビングも全然楽しめるからです(∀`*ゞ)エヘ
▲スカイダイビングの証拠写真w
一方で、はしごや屋上のへりなど、自分の加減次第でいくらでも落ちられる場所は、考えただけでなんとも言えない変な気分になります。
要するに、自分の力を信用していないんですよね。
それもそのはず。自分史上最高の体感覚を持っていた高校時代から、身長は変わらず、体重が10kg増えているので、体が重い!…重い!!
しかも筋肉量も変わっていないので、純粋に脂肪が10kg増えたということ(´・ω・`)
もう自分の体とは思えない動けなさで、一丁前に若い頃の体感覚だけは残っているので、イメージと現実とのギャップがエグすぎて、こんなはずじゃなかった・思ってたんと違うの連続で、万が一のときにも思ったように動けないと思うと、怖すぎます。
というわけで、山ダイエットに取り組んでいるのですが・・・
妊娠・出産の負の遺産は重く、10kg増えて5kg痩せても+5kgなわけで…×2人分でピッタリ10kg!じゃあ、もう1人産んだら+5kg!?Σ(゜д゜lll)
それはさておき、ママが木に登るときは、ダイエットに成功し、昔の体感覚を取り戻してから。って、いつになることやら・・・(*´σー`)エヘヘ
パパは試行錯誤を繰り返したり、自分が登っている姿をビデオに撮ってYouTubeのプロの登り方と比べたり、と研究を重ね、なんとか様になってきました。
あとは、練習あるのみで、どんどん高さを出していくだけだと思った矢先、ついに恐れていた事態が起こります。
事故です。
事故の詳細は次回、心ゆくまで語り尽くしたいと思いますが、結論から言うと、パパ生きてますので、ご心配なく!!(´∀`*)ノシ
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