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Wasse(フリースタイラー)。Jリーガーを目指した少年が、新たな夢を叶えるまで。

習得した技に無駄なものはない

——パフォーマンスをしてきた中で一番嬉しかったことを教えてください。

Wasse ギネス記録で“世界一を獲る”ことと“Jリーグの舞台でパフォーマンスする”ことという2つの夢が叶った時です。周りの反響もすごかったです。自分自身は何も変わらないのですが、周りの人からたくさんすごいと言ってもらえました。それがあったからこそ親にも少し認めてもらえたと思います。

——それまでご両親はフリースタイルフットボーラーとしての活動に反対されていたのですか。

Wasse 反対されていました。せっかく大学まで行かせたのだから、夢ばかり追いかけるのではなく、真面目に就職して働きなさいと言われていました。それが親の親切心だと感じていましたし、親孝行になるとは分かっていました。しかし自分の夢があって、どうしてもその夢について親を説得したいと思って一生懸命でした。ただ説得するにはそれだけの材料が必要になることは分かっていました。今は努力をして結果を残しながら、親への感謝も忘れずに順序立てて説明もした上で認めてもらっています。

——夢を叶えたことについてフリースタイルフットボールを始めるきっかけを与えてくれた野々村監督も喜ばれたのではないですか。

Wasse 2011年のFリーグ・大阪セントラルの会場でギネス世界記録に挑戦させて頂いたのですが、実はその時に野々村監督に来て頂きました。いつもはものすごく怖い監督なんです。監督に来てもらうということは絶対失敗できないわけです。もし失敗しようものなら、その場で走らされたと思います(笑)でもそのプレッシャーに打ち勝ち、成功させた姿を見せ、ここまでできたのは監督のおかげです、ということを伝えることができました。本当に今でも感謝しています。

ギネス記録挑戦の様子↓

——12分47秒という足裏リフティングのギネス記録をもっと伸ばしたいとは考えていないのでしょうか。

Wasse もっと伸ばしたいです。やるなら本当は誰かに抜かれた記録をまた抜き返したいです。でも調べるとまだ僕が記録を持っているので、そろそろ更新しておきたいとは考えています。

——最近はYouTube動画に抜き技がアップされていますね。

Wasse フリースタイルフットボールの中にも例えば(※)Ground Moveというちょっと変わったドリブルのようなボールタッチがあります。ドリブルはボールを前に出しながら進んでいきますが、そのGround Moveという技は自分の周りだけでボールをコントロールしながら進んでいきます。そういった技をもっと皆さんに知ってほしいんです。

僕は魅せるテクニックがあっても、サッカーやフットサルは下手だと言われたくはありません。フリースタイルフットボーラーはどういった形でサッカーやフットサルにテクニックを応用しているのか、と観て頂けたらと思います。

Wasseさん出演動画(サッカー・フットサル動画メディアFooti)↓

——フリースタイルフットボールに挑戦すればテクニックが身につき、サッカーやフットサルに活かすことができると思います。

Wasse そうですね。特に子供達にはリフティングの技術とサッカーの技術を分けて考えないでほしいです。昔からリフティングはトラップの練習に有効だと考えられてきました。しかしそれだけではないんです。例えば片足で体のバランスを保つ必要が出てくるので、体幹がすごく鍛えられます。体幹が鍛えられれば試合中のギリギリのプレーの時にそれが役立つと思います。

その他にもどこでボールに触れるのか考えるので、発想力も磨かれます。フリースタイルフットボールで習得した技に無駄なものはありません。試合中のテクニックにおいて、できるけどやらないのか、できないからやらないのかではメンタル面に大きな違いがあると言えます。

(撮影(一部):photographer Shotaro Hayakawa)

【後編】へ続く

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