中村輪夢。13歳のBMX日本王者が見据える、世界の舞台

一度いいイメージを持てたらすぐに行く

-実際にBMXに乗っているところも観ましたが、輪夢さんは演技に入る前に少し間を取っています。

大会だと「ここで盛り上げよう!」と思って、意図的に少し時間を空けたりもします。もちろん次にやるのが過去に失敗した技だとそれがよぎってしまうこともありますが、絶対できると自分に言い聞かせています。ただ、あまり考えすぎるとどんどん怖くなっていくので、一度いいイメージを持てたらすぐに行くようにしていますね。逆に中途半端な気持ちで演技に入っていってしまうのが一番危ないんです。

-予め、繰り出す技の順番は決めておくんですか?

前もって決めておきます。でも流れの中で決めておいた技を出すには多少勢いが足りなくなってしまう時があるので、その場合は少し内容や順番を変えたりして、臨機応変に対応します。

-実際に自転車に乗ること以外のトレーニングをすることはないんですか?

あまりしていないです。大会は1分間走るので、体力を付けた方がいいとは考えていますが、なかなかできていないです。

基本的には乗ることが一番の練習です。しかし、冬場は暗くなるのが早いので、時間をかけて施設まで行っても乗る時間が限られてしまいます。僕はストリートも好きなので、冬の時期の平日は近くでそちらを中心にやって、休みの日にパークまで行って練習します。ただ、施設が近くにないことは言い訳になってしまうと思うので、たとえそうだとしても大会で一番になれるように限られた時間で集中して取り組むようにしています。

-練習の内容やスケジュールは決めておくのでしょうか。

恐怖心のある技は時間を決めてやっています。怖いとどうしても後回しにしてしまいますから。練習メニューもその日決めたものをまずやってから、他のことをやるようにしています。

中村輪夢

より多くの人に知ってもらうために世界一を獲る

-今後の目標を教えてください。

先日行われた全日本大会のプレで僕は2位でした。来年から本格的に関東、関西、全日本とそれぞれでちゃんとした大会が行われるので、できれば全部優勝したいです。そして最終的な目標は海外で活躍し、世界の頂点を目指したいです。

-それでは最後に読者の方にメッセージをお願いします。

まずは今、新しい技を練習しているので、それを成功させたいと思っています。僕はみんなと同じ技をやるよりも、他の選手がやらないような技に挑戦していきたいと思います。そして僕が大会で優勝することで目立って、より多くの方にBMXに注目してもらいたいです。

まだBMXはテレビに出るような有名なスポーツではありません。でも僕が世界一を獲ることでいろいろな人に知ってもらって、競技人口が増やせたらいいと思います。そのために頑張って日本一、世界一を獲っていきます!

関連記事