悲願のラクロス日本一へ。日本代表経験者コンビが語る、クラブチーム・FUSIONの誇り
社会人でも競技を続ける道を選んだ2人。FUSIONという選択の理由。
-**大学を卒業してからも社会人として働きながらラクロスを続ける選択は簡単にはできないと思います。続けることを決めたのはいつ頃ですか。**
宮沢:私は学生の頃から日本一を取りたいと思って頑張ってきました。でも大学最後の大会でサドンデスの末に日本体育大学に負けたんです。そこで改めて考えてみて、やっぱり私はラクロスで日本一を取りたいと思いました。だから社会人でも続けることにしました。
ただ、会社の配属が関西になってしまったんです。どうしても大学や日本代表でお世話になった先輩と同じFUSIONで戦いたかったのですが、通うのも難しいですし、すごく悩みました。
大学卒業年の2010年には国際親善試合に臨む日本代表メンバーとして招集もあったのですが、それも全部辞退して関西に引きこもろうか迷ったほどです。でもチャレンジして、最終的にダメだったら諦めようと思いました。
結局東京には社会人5年目から帰って来られたのですが、その間はずっと大阪から通いでやっていましたね。
-**岩田さんはなぜ社会人になってからもラクロスを続ける上でFUSIONという場所を選んだのでしょうか。**
岩田:完全に人です。U-19世代から一緒にやっている先輩もいましたし、日本代表の時のメンバーもいたので。自分がラクロスをやってきた中で、良くして頂いた方がたくさんいました。
宮沢:でも私がFUSIONに入って1年目の時は本当に勝てなかったんです。
岩田:高校生ぐらいの時からずっとFUSIONのファンで、「絶対入る!」と決めていたはずなのですが、1つ上の代のその姿を見ていて、正直心配でした。でも私がラクロスをやってきた中で影響を受けてきた、この人達と一緒にプレー出来るのはやはりここしかないと思ったので、FUSIONを選びました。その決断をして、今は本当に良かったなと思っています。
-**お2**人の今の目標を教えてください。
宮沢:私は今年FUSIONを日本一に導く事です。何が何でもと思っています。
岩田:チームとしての目標で言えば、みんなが望む形で日本一を獲る事です。自分個人としてはW杯出場を目指しているので、日本代表にも貢献した上で結果を残せたらなと思っています。それが後の日本のラクロス界の発展にも繋がると思います。
チームメイトを思いやり、常に笑顔で全力を尽くす。それこそがFUSIONの誇り
-**お2**人が話している様子から本当にラクロスが好きなことが伝わってきますが、その中で辞めたいと思うほど本当に辛かった時を教えて下さい。
岩田:私が本当に苦しいと思ったのは、高校生の時です。
高校の顧問の先生は大抵とても厳しいじゃないですか。原因は何か覚えていませんが、とあることをきっかけに「もう練習しなくていいから」と言われたことがありました。当時も主将を務めていた私は、先生に謝りに行く日々で。初めてご飯を食べられなくなるぐらいストレスを感じました。でもその出来事以来、これ以上の辛さは無いと思えるようになって、何でも乗り越えられるんです。逆にこれは上手くいくようになる前兆なのだと考えるようにしています。
宮沢:私は2013シーズンに幹部をやったのですが、それがとても大変でした。その前の2年間は体制がしっかりしていたのですが、2013年になってから幹部が一気に抜けて、新しい人がたくさん入ってきました。その年は幹部もメンバーも若くて、色々な価値観で話すので、まとめきれなくなってしまって。負けてシーズンが終わった時に『もう辞める』という声も上がり、チーム存続の危機に陥りました。責任を感じて、私は家で号泣していましたね。
岩田:その場でも泣いていたような気がしますが (笑)
宮沢: メンバーに本当に申し訳なくて、翌年は幹部を降りました。でも、2015年にまた幹部をやって思ったのは、ただ勝つだけではなくて、みんなが心からFUSIONを好きで、楽しく最後に、最高な笑顔で終われる日本一ではないとダメだということです。今年は特に強くその想いを持ってやっています。結果論ですが、そう思えるのも2013年の辛い経験があったからで、だからこそ今のFUSIONのメンバーが色々な人に優しくなれたり、一人一人がチームを思いやる行動を大切にできているのだと思います。
今、2013年の体験をしたメンバーが幹部をやったり、チームを引っ張ってくれていることでさらにFUSIONの良さが出ていると思います。
心から成長出来る場所。FUSIONの魅力は人にあり。
– FUSIONはどんなチームで、どこに魅力がありますか。
宮沢:人に魅力があります。みんなが人を大事に出来ます。FUSIONに関わる人はOGを含めて、笑顔が溢れているチームだと思います。応援してくれる人もそうですし、練習中のくだけた雰囲気もそうです。笑顔がよく似合うチームだと思います。
岩田:本当に思いやりを大事にするチームです。それは、仲間に対してもそうですし、応援して下さる方にもですね。立ち振る舞いにもすごく気をつけていて、FUSIONの一員として周りから見られているという意識を持てるのは良いところです。
あと一つ思うのは、全てにおいて全力なんです。練習もそうですし、遊ぶ事も、イベントにも。楽しむ事も、ぶつかりあう事も全てにおいて全力で取り組みます。
時にはこの年にもなって涙を流しながら話をしたりするくらいです。でもそれは本当に素敵なことだと思っています。
FUSIONは本当に成長出来る場だと思います。特に心の部分においてですね。
-ここからはプライベートな話を聞いていこうと思いますが、ラクロスから離れている時間は主にどんな事をしていますか。
宮沢:私は主に仕事です。でも、土日でラクロスがない時は美味しい食べ物やお酒がある店に行きますね。実際に繁盛しているお店だったり、食べログで点数が高いお店に行きます。美味しいお店を探すのは好きですね。
岩田:シーズン中はラクロスだけを考えているので、自分の体調とトレーニングの兼ね合いを考えると早く帰って、早く寝るという生活です。時間があると主婦じゃないですけど、家事をやったり、洗濯をしたり、晴れている日はお布団を干したりしています。
宮沢:あとは結局、FUSIONのメンバーと一緒だもんね (笑)
岩田:そうですよね。FUSIONのメンバーと一緒に、ドライブしに行ったり、買い物に行ったりします。上から下の代まで誘って行きます。
江ノ島とか行きたいですね。午後から急に『箱根行こうか!』みたいな事もあります (笑)
-**仕事とラクロスの両立は難しいですか。**
岩田:私はラクロスをする為に仕事を選びました。今は待遇や雇用形態よりも勤務時間が決まっている仕事を選んでやっています。
宮沢:私は仕事もラクロスも全力でやるのがモットーです。ただ、得意先と飲みに行かなければいけない時もあるので、夜が潰れたら、朝走ったりしています。ただ、試合前の時期はご理解頂くようにしています。それで得意先の方も試合の応援をしに来てくれたりすることもあります。
-**お互いに関して、普段言えていない事や感謝の気持ちがあれば伝え合って頂ければと思います。**
宮沢:本当に1番は「ありがとう」という気持ちですね。やっぱり主将はチームの代表ですし、私達が思っている以上に、色々なところに気を回してくれています。プレッシャーもすごくある中で大変なところは一切見せずに、チームの前では常に笑顔で、明るく引っ張ってくれます。そういった部分で感謝の気持ちがすごくありますし、だからこそ「麻衣子を勝たせたい!」という思いが原動力になります。絶対に、一緒に日本一になりたいと思います。
麻衣子は、芯が強くて、「これ!」と決めたらそれをやり通します。主将をやって麻衣子は今年で3年目になります。個性溢れるメンバーが集まっているFUSIONの中でそれをまとめる事が出来るのは、麻衣子しかいません。色々な代の目線に立って皆を引っ張れますし、努力家でもあります。
岩田:誰もが分かっていると思いますが本当に熱い人で、人の為だったら、何もかも犠牲にして頑張ってくれる方です。忙しい中で時間を作って、少しでもチームのためにと動いてくださる、すごく優しい先輩です。
1個上の明日香さん達の存在はすごく大きいです。ずっと残って一緒に戦ってくださるのは、やっぱり心強いです。本当に支えてもらっています。
明日香さんは、常に自分がやるべき事を徹底してやってくれます。周りをまとめて、引っ張ってくださるので、常に感謝しています。
-**最後に読者に向けて一言、お願いします。**
宮沢:私に関わって下さっている方には、「いつも応援ありがとうございます。必ず日本一になります!」とお伝えしたいです。私の事を初めて知った方には、ラクロスはこれからもっと日本で普及していけるスポーツだと思いますし、すごく魅力のある競技だと言いたいです。どんなスポーツか気になった人はぜひ1回試合会場に足を運んで頂いて、生で観戦してもらえたらと思います。
岩田:ぜひ、会場に来て試合を見て下さい!
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