キーワードは「自走力」。スポーツ界で夢を叶えるキャリアのつくりかたとは
ゴールから逆算し、弱点を見つけるたびに自分を磨く。
大学で「スポーツを通して社会課題を解決する」とか「スポーツが抱える課題を解決する」というビジョンを持ったものの、そのビジョンに対して自分の能力とか考え方を照らし合わせると、明らかに距離感があったんです。能力が足りないなと。特に思ったのは論理的思考力の弱さです。パワーポイントを作ったり、人に何かを伝える時にロジックを作っていって説明したり、というのが全然できていませんでした。
ゼミでは自分の研究内容についてのプレゼンもあれば、先程言及したSports Policy for Japanでプレゼンする機会もあったのですが、そこの場数が自分の論理的思考力の弱さに気づく上で大きかったなと思います。
そういった経緯や、尊敬する山崎亮さんや筧裕介さんが研究と実践の両方のアプローチをされていたこともあり、2人をモデルケースとして、大学卒業後に早稲田の大学院に進学することに決めました。
私が学部で主に学んできたスポーツ社会学は、物事の見方とか本質を捉える、突き詰めるという部分にフォーカスしていました。ただ、そういう考え方は勉強になった一方、さらにビジネスの観点でスポーツを捉える学びが本質的には自分が学びたかった分野でもあったので、それを深く学ぶために大学院に行ったという形です。
スポーツ界に行くために、リクルートを選んだ理由大学院では原田宗彦先生に師事し、ノンメガスポーツイベント(主に国内大会)によって地域に環境・社会・経済などの効果がどのように発生するかを研究させていただきました。外部との連携でもJリーグやトライアスロン協会様などと協力して、する・みる・支えるの観点から調査を行わせていただきました。
その後、大学院卒業後はリクルートマーケティングパートナーズという会社に採用していただきました。具体的な業務としては、スタディサプリという商品の企画営業です。いくつかの都道府県を担当させていただき、そこの学校や地元の自治体の教育関連のソリューションを提供するということをやらせていただきました。
リクルートを選んだ理由は、
- サービス業で無形商材を取り扱っていること、リボンモデルでカスタマーとクライアント(スポーツの場合、スポンサーとファンの構図)の両方へアプローチしていること
- リクルートの卒業生がスポーツ業界に多かったことが主にあげられます。
その中でもスタディサプリを希望したのは、
- 新規事業で様々な変化があること
- 商材の価格帯・購買頻度
- スポーツコンテンツを行う可能性が高いと考えたこと
があり、「ここだな」と思いました。結果的に1年間しか在籍しませんでしたが、論理と情理のバランス感覚や、相手や物事に対して当事者意識を持つということ、そして事業を通して社会の“不”を解決するという考え方を学ぶことができました。
繋がった点と点リクルートで一通りの営業活動に慣れ始めて、職場の皆さんのたくさんご指導いただく中で、年間の目標を全国で一番早く達成するなど結果も出ていました。
その中でも十分壁に当たっていたのですが、一方で、1年目からこのような結果に恵まれると思っていなかった部分も正直ありました。その中で、このままだと自分は調子にのってしまうと思ったんです。
そして、冒頭に話したようにDeNAに入社したという流れになります。
入社のきっかけは、今の上司から「ビジョン」や「ミッション」について丁寧な説明をいただいたことにあります。話を伺った時、私がやりたいことに近いと感じましたね。そして、これまでやってきたスポーツの学びやまちづくりの学びを点とするならば、入社後に点と点が線になって繋がるんじゃないかな、と思い、「ここで働きたい!」と思いました。
2017年の4月に入社したばかりですが、今まで自分がやったことがないことがたくさんありますし、プロジェクトの幅もすごく広いです。日々、新しいものにぶつかり続けている感触があります。
私が取り組んでいる新規事業やスポーツタウン構想推進というのはいわゆる足の長い話というか、1日で変わっていくものではありません。辛抱強くやらなきゃいけないなと思いつつも、自分がやりたかったようなことや自分が描いていたことにすごく近い取り組みはできているという実感はあります。スポーツタウン構想というところで市民の皆様や横浜市の方と日々ご一緒させていただいている中で、「横浜DeNA」としてしっかりと役割を果たして行くために取り組めていると思います。
自分の軸として「スポーツを通して社会課題を解決する」とか「スポーツの抱える課題を解決していく」というのがあるので、スポーツタウン構想はすごくマッチしていると思っています。それを推進しながら、自分の軸に対してもこれから答えを出して行きたいなと思いますし、個人としても色々な挑戦をしていきたいです。
自ら考え動く力と、多くの出会い
『この会社もしくはスポーツ業界にはどうやって入ったのか』と、よくご相談をいただきます。ただ、私は自分の頭で考え、行動するというシンプルな動き方しかしていないので…(苦笑)
そういった意味では「自走力」は一つキーになるのではないでしょうか。
あとは、特に私の場合で幸運だったのは、今までにお話した高校バレーボール部の恩師の山内健至先生や、松尾哲矢先生、原田宗彦先生、インターンや仕事でお世話になった筧裕介さんや山崎亮さん、そしてリクルートの先輩方に多くのアドバイスをいただいていたということ。
出会いに恵まれたことが非常に大きかったのだと、心から思います。
Follow @ssn_supersports