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スポーツブル・黒飛功二朗が描く“スポーツ大国 日本”へ向けたメディア戦略図

テーマは“スポーツと生活者の接触総量を最大化”

黒飛功二朗氏

プラットフォームをやっていく中では、軸もズラした方が良いと思っています。スポーツブルというスマホのアプリを起点にして世の中を見るのでなく、スポーツブルすら脇に置いておいて、スポーツコンテンツを真ん中に置いて、世の中を360度見たほうが正しいマーケティングというか、正しい事業が出来る気がしているんです。この視点に慣れたのはお恥ずかしい話、ここ半年くらいなんですけど…。

アプリに人を集めることは、もちろん事業として大事です。ただ、それがゴールになってしまうと結果的にマーケットを小さくしてしまう。とにかくスポーツコンテンツの価値最大化を狙ってアイデアを出していく。その先のコアファンや、ライト層のことを思い浮かべながら。

僕はこの事業を立ち上げた当初から、スポーツと生活者の接触総量を最大化したいと考えており、すべてはそのためのアプローチなんです。スポーツブルアプリのインストール数を増やすために日々、いろいろと動いていますが、根元で言うとスポーツブルというブランドを起点として、人々のスポーツへの接触量、消費量を最大限に増やしていきたいんです。その先に、日本がスポーツ大国になる未来があり、事業のグロースに最も効果的だと考えています。

特に今からスポーツ選手になるかどうか、夢を見られるくらいの子供たちのスポーツ接触総量を増やしたい、増やすべきだと思うんです。その時、本当にアプリダウンロードが最優先なのか?もっと異なる接触機会があるんじゃないのか?常にスタッフ全員でこの議論をしています。そこから新たなシードが生まれてくると思うんです。

大企業と組む意味

偉そうなことばかり言っていますが、このような取り組みはベンチャー一社だけでは絶対にできません。様々なアセットを持つ大企業、そしてビジョンを共有できる仲間がいないと成り立たないんです。大企業と組ませてもらうことでしか戦えない土俵がある。大企業と組むからこそ生まれるキャッシュポイントがある。事業のコアアイデンティティは固定した上で、毎年ピボットを繰り返す、どんどんキャッシュポイントを広げていく。スポーツで簡単にビジネスはできないと思っています。その中で僕らは、まだ想像もしていない事業展開を生み出さないといけない。スポーツブルをアプリサービスだと知らない人が出てきて良いと思っています。

極端な話、「いつも使っているスポーツブルって、インターネットで見れるんだ!?」

と言う人を生み出すくらい、事業を展開していく必要がある。スポーツに触れる場所を増やし、チャレンジ精神を感じてもらう。それがスポーツブル事業の根幹です。

成り立つなら、スポーツカフェやスポーツジムも作ってみたいと思っています。皆で最高のパブリックビューイングが出来る場所が生まれても嬉しいです。世の中に対して大きなインパクトを出した上で、大きなマーケットを作っていくという視点を持つためには、ベンチャー企業だけでは夢物語なので。スポーツブルはKDDIさんと協業スキームで展開しています。KDDIさんのサポートなしには、僕らはこのインタビューすら受けてないと確信しているんです。

スポーツ事業に関わる大人の努力が必要

生活している範囲で言うと、親が子供とキャッチボールをできる場所は東京に少ないです。キャッチボール禁止の公園がたくさんありますが、要はスポーツは学校の体育の時間以外満足にできない環境なので。一方、2020年に向けてスポーツが盛んな国にという政府側の発信もあります。東京に五輪が来た際に『東京って普段からスポーツが盛り上がる環境が出来上がっているんだね』と、世界中の人に言ってもらいたいじゃないですか。

そのためには、スポーツ事業に関わる大人たちが、少しづつ努力しなければいけないですし、何かできると思うんです。その手始めとして自分たちが起点でできるところで言うと、とにかくスポーツとの接触総量を高めていくこと。

僕らの使命は、生活者とスポーツとの接点、体験をスポーツブル「プロデュース」で作っていけるか、というところです。そのためにはフリーペーパーもあるし、カフェもあっていいし、ジムもあっていいし、スポーツ居酒屋があっても良い。もちろん、アニメ、映画、漫画も。そういう意味では可能性はたくさんあります。そういったスポーツ×◯◯で生活者のワクワクを生み出していく。スポーツコンテンツを中心として、世の中の360度を見渡しながら、新しい体験を作っていくこと。これが僕らの夢なんです。

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