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五輪のボランティアはブラックなのか?過去3大会に参加した日本人が明かす

海外からもボランティアが押し寄せる?

—東京五輪では11万人のボランティアが必要だと言われています。「そんなに集まるのか」と不安視する声もあります。

私もロンドン五輪の後にはソチとリオへ行きましたが、世界中には五輪ボランティアを経験し、中毒になってしまった人たちが大勢います。海外からも東京五輪のボランティアを希望する大勢の人がいるはずです。

過去の大会を見ても、ロンドン五輪では7万人の募集に対して、24万人もの応募がありました。

—ソチやリオにもボランティアとして参加すると、現地へ行くまでの交通費も必要です。そこまでして行きたいと思ったのでしょうか?

ロンドン五輪が楽しくて、印象が強すぎたので、ソチの時はポチっとすぐに応募してしまいました(笑)。ブラジルは昔から好きだったですし、良い機会だなと。

いくら掛かるかというよりも、「ボランティアをまたやりたい!」という気持ちが上回りました。そういう人が世界中にいっぱいいますし、コミュニティもあるんです。航空券を取って、宿はどうしようかと思っていたら「一軒家を借りたから、希望者は集まれ!」と連絡があって、宿も確保できました。

あまりブラックだとか言われすぎて、チャンスを逃す人がいたら可哀想だと思うので、私は声高く言っているんです。

—大成功に終わったロンドン五輪も、大会前はネガティブな意見があったかと思います。東京五輪ではどのようになるでしょうか?

ロンドンも始まってみれば大盛り上がりでしたね。ボランティアも街中にいると、派手なユニフォームだから目立つわけです。みんなフレンドリーに楽しくやっていたのが良かったのでしょう。

普段はあまり知らない人に声を掛けないロンドンの人たちからも話しかけられたり、ビールをおごってもらったり。嬉しかったですね。

ユニフォームの魔力も凄くて、着た途端に自分でも笑顔になりました。東京五輪でも、ボランティアのユニフォームを着た人が街にあふれますよ。その人たち同士の絆、それを見た周りの人たちの反応も変わってくるはずです。

—これから東京五輪のボランティアに応募してみようという方、迷っているという方へのアドバイスをお願いします。

「英語も話せないし、こんなことはできない」と始めから不安がってしまう人がいますが、人って色々なことができるんですよ。それに、ボランティアの仕事は多岐に渡ります。細かいものも合わせると800種類もあると言われています。

特別な人ではなく、普通の人たちが、年齢や能力に関係なく、ひとつのチームとして同じユニフォームを着て、五輪に参加することができます。

また、ボランティアというと若い子がやるものだと思っているかもしれませんが、大学生はやることがいっぱいあるし、2年先に何が起こっているか分からないと思います。私はそれよりも、シニア層に期待しています。

というのも、日本には1964年の東京五輪を幼い頃に観て、感動したというシニアの方が大勢います。その方たちが今度は当事者になれるんです。シニアでもできる仕事がいっぱいあります。酷暑が予想されていますが、運営サポートは室内でできる仕事もあります。

ドライバーも車内はエアコンが効いているし、言葉は流暢である必要はなく、専用レーンを運転するので狙い目だと思いますよ。ぜひボランティアの募集要項を覗いてみてください。

応募しようと思っている方は、まずは五輪とパラリンピックの大義、公共性やミッションを理解し、それに対して何ができるか、何が達成できるか、何が得られるかをご自身で考えてみてください。年齢や置かれた立場、状況は人それぞれ違うので、自分の思いがどういうところにあるのか、自分が五輪に対してどう思っているのか、自分で考えることが大事です。

面接では、自分の目標と五輪の大義がどう重なり合うのか、自分が何を成し遂げたいのかを、いかにうまく説明するかが重要だと思います。

明確な意思があり、やりたいと思った人に対しては、五輪ボランティアは最高に楽しい経験になることは保証します。色々な人にも巡り合えます。そして人生最高の2週間に繋がります!

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