渋谷という街が示す、都市型スタジアムとスポーツの可能性

渋谷という街そのものが、成功モデルを示す

ところで渋谷という街は、すでに若者の街という一昔前のステレオタイプを一掃したようだ。レストラン、ショッピングといった商業施設の間にはオフィスビルが立ち並び、こどもから大人、ビジネスマンや主婦、学生。性別、趣味嗜好、あらゆる属性の人々を抱きかかえ、共存させている。

会場となった渋谷キャストの周辺には緑が茂り、ゆったりとした空間のなか風が吹き抜けていくそこから行き交う人を眺めていると、シティ、ストリートといった定義すら野暮に感じられた。

今回のディスカッションは、スポーツ好きを自認する人に共通の自戒を抱かせるものとなった。スポーツを応援する、スポーツ産業の発展を願うと言いながら、“新参者”を敬遠していなかっただろうか。スポーツの可能性を狭めていたのではないだろうか。

“SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA”構想は、文字通りスポーツとそれ以外の境をあいまいにし、混沌とさせる。あえて、特定の形に定義させないことで、次のブレイクスルーを生み出す。様々な生き方や文化が交差する渋谷という街が、その手本を示している。

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