地元・旭川から北海道全域へ。ヴォレアス北海道の地域活性化戦略
一番を目指して挑戦し続けるクラブでありたい
ープロスポーツチームが地域に与える影響は、どのようなことがあるとお考えでしょうか?
まず1つの影響として雇用が挙げられます。プロスポーツという新たな業種が誕生したわけですから、直接の雇用や地元にいるので、印刷などで地元業者に発注する機会が生まれます。
あとは、企業とマッチングをして、新規の事業を作ることもしています。例えば、中国向けの越境ECサイトを運営しているANAのグループ会社と提携しているのですが、北海道や日本のものを中国進出させる手助けをしています。
中国で商売しようとすると、現地で倉庫を借りて、ものを置いて、関税40%を払って…というふうに、とてもリスクが大きいです。それならば、日本にいながら中国進出ができる場を作ってあげようと。あまり営業力が強くない北海道の企業が、私たちを通じて活動の幅を広げて、売り上げを増やした事例もあります。いわゆる広告代理店みたいな機能ですね。
地元のスポンサー企業に対して、広告だけではないメリットも提供しています。私たちはまず企業さんと会った時に「お金をください」という交渉の入り方はほとんどしません。「困っていることはありませんか?」と聞くんです。
そこから「問題解決に良い企業を紹介しますよ」というような交渉を、毎日のように続けています。そういった交渉をきっかけに、ヴォレアスと出会って良かった、応援しようと思っていただけるような仕組みを作っています。
ー競技だけでなく、社会貢献にも力を入れているのですね。
スポーツの1つの魅力として、一体感を作れるということがあります。旭川の人々には、地域をなんとかして盛り上げたいとは思いつつも、そのための旗印がありませんでした。私たちはヴォレアスというチームを通して、北海道の食を発信することや、子どもたちに夢を持つこと、挑戦することを選手たちを通じて伝えたり、新しいイノベーションを作っていったりと、様々なビジョンを持っています。
ー池田さんはスポーツ界にバックグラウンドがないにも関わらず、ここまでヴォレアスを引っ張って来られました。その力やマインドは、どのようにして身についたのでしょうか。
私の長所を自分で言うと、行動が早いのと、アイデアがわりとあることです。それをひたすらやり続けています。一応大学は出ていますけど、たいした学歴もないですし、家庭で勉強をしなかったことと、受験をしたことがないというのが自慢ですけどね(笑)。
ーこれまでも色々な施策を行ってきましたが、今後ヴォレアスをどのようなチームにしていきたいと考えていますか?
常にホームゲームでも新しい挑戦を続けていますし、完成形はありません。どんな施策を打ち出すべきなのか分からない、やることがないというチームも多い中で、挑戦することがあるという状態はかなり良いことだと思います。
ホームゲームのイベントに関しては、はっきり言って収支はまだまだ厳しい状況です。それでも、歴史のあるバレーボール界で新しいことを挑戦し続けているチームはなかなかないじゃないですか。
バレーボールというスポーツを通じて、北海道から革命を起こそうと、いろいろな角度から挑戦しているので、そういう意味ではある種、チャンピオンではないのかなと。やはり重要なのは一番を取り続けることだと思っていますし、これからも一番を目指して挑戦し続けるクラブでありたいですね。
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