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環境から、女子サッカーの未来を変える。アディダス「HER TEAM」プロジェクト

続けられる場所を。きっかけは、自分自身が環境を失った原体験

ーここまで聞いていて、かなりスポーツへの熱量がある方だという印象です。七田さん自身の経歴を教えてください。

もともとスポーツには興味があったので、体育大学に進んでスポーツトレーナーを目指していました。でも次第に、スポーツをもっと広めたい、知ってもらいたいと思うようになったんです。

大学卒業後はPR会社に5年間勤めました。スポーツを普及させたいとずっと思っていたので、そこからアディダスに転職して8年目を迎えているところです。

ーなぜスポーツへの興味があったのでしょうか?

幼少時代を海外で過ごしていたのですが、当初は言葉が話せず苦労をしました。そんな時に、救ってくれたのがスポーツでした。スポーツを通して、多くの友人が出来ましたし、活動的になれたと思います。

中学時代に日本に帰国しましたが、海外と比較すると、中高生年代がスポーツを続けていける選択肢が少ないと感じました。私自身も、幾つか続けていたスポーツの中でも、サッカーが好きだったのですが、通っていた中学には女子サッカー部はありませんでした。クラブチームを探すにも、当時はまだネット環境が今ほど整っていなかったので、ハードルが高かったのを覚えています。

ー「女子スポーツの環境を整えたい」というのは、七田さん自身の経験からも持っている思いなのですね。

まさにそうなんです。アディダスに入社してから今回のプロジェクトの実現に至るまで、さまざまなアイデアがありました。例えば何かの大会のスポンサーをすることも、もちろんひとつの女子スポーツへの関わり方です。でも、もっと女の子たちにダイレクトにメリットを与えたいと思ったんです。

女性指導者が少ないことなど、女子スポーツの課題は多くあります。なので、他のことも力を入れていきたいとは思っています。ただその中でも、まずは続ける環境を整えていくことが必要だと感じたので、今回はそこに特化することにしました。

女子サッカーをする少女たち

まずは一歩進めてみること。女子スポーツの未来を創る

ー今回のプロジェクトを通じて、女子サッカー、ひいては女性スポーツ界にどのような影響を与えていきたいと考えているのでしょうか?

競技を問わず女性が、好きなスポーツを続けられる環境を整えていきたいです。スポーツが、女性のライフスタイル自体の一部になって欲しいと思っています。

アディダスの企業理念は、「Through sport, we have the power to change lives.スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力があります。」と掲げられています。今回のプロジェクトはまさにそうだと感じています。

ーアディダスだからこそ、実現できることでもありますよね。

はい。世界のスポーツメーカーとして、当たり前のことだとも思っています。アディダスとしてなりたい姿というよりも、そもそも「なぜスポーツ分野でモノを作っているのか?」という根本的なところからきています。スポーツをやってもらいたい、続けてもらいたいという思いがあるからやっています。スポーツブランドの存在意義の延長線上にあることなんです。

ー最後に、今回のプロジェクトに応募される方にメッセージをお願いします。

すでに遥かに予想を上回る数の応募をいただいています。全国22都道府県のチームから集まってきています。指導者の方々からのコメントも非常にリアルで、ニーズを感じているところです。

現場のみなさんが同じ思いだということを痛感しています。「この地域ではやる場所がないから、始めてみたい」と。われわれアディダスも全く同じ思いで、女子スポーツの未来を創っていくという挑戦に一緒に取り組んでいきたいと考えています。

今回のプロジェクトを実行するにあたって、様々なハードルもありました。ですが、まずはアクションを起こさないと良いも悪いもわかりません。小さいことでも前に進めてみることこそが、未来を創っていくための重要な一歩だと思っています。

さらに、女子サッカーには未来があると感じています。2019年のフランスで開催されたFIFA女子W杯では、ヨーロッパがこれまでにない盛り上がりを見せました。10年や15年前では考えられなかったことです。国内でも、2021〜2022年になでしこリーグのプロ化、さらに2023年の女子W杯招致も現在動いているところです。

このプロジェクトでひとつ良いスタートを切り、将来活躍できる選手を育てる。そしてそれを見た下の世代の子どもたちに、サッカーをやりたいと思って欲しい。このプロジェクトが、そんな流れの起点となることを強く願っています。

サッカーボール

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