最高の一瞬『ジャイアントキリング(フットサル)』

フットサルは、2004年から専門誌の仕事依頼を受けて撮り始めました。以降、たくさんの試合を撮ってきましたが、とくに思い出に残っているのがこのゲームです。

国内トップリーグのFリーグは、2007年に開幕して盛り上がりを見せていましたが、これは2009年3月の全日本フットサル選手権というカップ戦の決勝です。当時まだ地域リーグに所属していたアマチュアチームのFUGA MEGURO(フウガ・メグロ)が、Fリーグチームを次々と破って優勝したんです。

決勝ではFリーグ王者のプロチーム、名古屋オーシャンズまで倒したので、フットサル界では、史上最大のジャイアントキリングとして語られる伝説の試合になりました。

FUGAはこのあと、多くの選手がFリーグチームに移籍して活躍したり、日本代表でもプレーする選手が出たりと、レベルの高いチームではありました。チーム自体も新しい選手を育てながら、2010年からはフウガドールすみだというチーム名でFリーグに参戦し、活躍しています。

フットサルは攻守の切り替えが速いのが特徴です。だから撮るほうも、ゴール裏で構えながらカメラを2台用意。向こうのピッチを撮るレンズと、手前のピッチを撮るレンズの切り替えを速くしないといけません。スピードが速すぎて、ボールだけ追っているとゴールシーンが取れない。試合展開を読まないといけないんですよね。

この時はFUGAの攻守の切り替えの速さに、名古屋がついていけず、次々に裏を取られてゴールが決まった感じでした。衝撃的だったし、やっぱり撮っていてテンションが上がりましたね。

▼高橋 学(たかはし・まなぶ)

1975年、福島県福島市生まれ。東京ビジュアルアーツ写真学科でスポーツフォトを専攻。1996年より(有)ジャパンスポーツで実績を重ねてフリーランスに。現在はサッカー、フットサル、陸上、フィギュアスケートなど様々なスポーツを取材している。

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