最高の一瞬『釜石での大勝利(ラグビー)』

こちらは2019年7月27日。このあとの自国のラグビーワールドカップで大活躍した日本代表が、飛躍のきっかけをつかんだ試合の写真です。

場所は岩手県の釜石、震災の被害に遭った場所にスタジアムが新設されました。釜石はかつて日本選手権で、新日鉄釜石が前人未到の7連覇を達成したことで有名なラグビーどころであり、関係者にとっては特別な場所で初めてのテストマッチが行われました。

また、東日本大震災からの復興という意味もあり、試合前、リーチ・マイケルはここでプレーすることの意味をチームメイトに説いたといいます。ワールドカップ用に改修されたスタジアムは大変な盛り上がりを見せていました。

相手のフィジーはヨーロッパのトップクラスで活躍している選手が多く、非常に強いとの話。日本はボロ負けするのではとの予想もありました。

しかし、ワールドカップイヤーに入って非常に厳しい合宿をこなしてきた日本は、アタックを継続するラグビーで、34−21で白星。4年間で初めて世界ランキング上位に勝利しました。

合宿で内容は見ているけど、果たしてうまくいくのかという思いもありましたが、「このまま行けば、ワールドカップでもうまくやるんじゃないかな」と期待を抱かせる試合になりました。

事実、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチの下、頑張ってきた日本のこの試合の内容がワールドカップの成功に結びついたのです。

▼斉藤 健仁(さいとう・けんじ)

1975年生まれ、千葉県育ち。大学卒業後、印刷会社のサラリーマンを経て、写真も撮影するスポーツライターに。WEB、雑誌等でラグビーとサッカーといったフットボールを中心に執筆。ラグビーW杯は5回取材、サッカーW杯やユーロ、夏季五輪にも赴く。

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