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THINK SPORTS『リーグ戦とトーナメント戦』
スポーツの大会には、リーグ戦とトーナメント戦が存在する。
1年間などの長い期間の中で定期的に試合を行い、その中で優劣を競い合うのがリーグ戦だ。日本では、プロスポーツや各スポーツのトップレベルでよく行われているスタイル。参加する選手、またはチームが、同じ数の試合を行うので、実力が順位に素直に反映されやすいと言われる。
一方、トーナメント戦はよく「一発勝負」と表現される、一度負けたらそこで終わりのシステムだ。短期間で行われることが多く、日本では中高生の大会に採用されるケースが多い。特徴は格下にも上位進出や優勝する現象がある点で、一戦に全精力を注いだ弱者が強者を倒したという思い出を持つ人や、そうしたドラマを見聞きして記憶している人も多いだろう。
日本のスポーツはこれまで、大会といえばトーナメント戦が主流だった。しかし今は、選手育成などの観点から、日常的にレベルを競い合うことができる、リーグ戦を普及・充実させようという動きが多くなっている。
それは、ヨーロッパなどのスポーツ先進国の環境が、リーグ戦主体になっているからだ。もともとこれは、スポーツは参加するものすべてにプレーする機会が与えられるべきという観点から来ている。つまり同じスポーツの中でも、年代別やレベル別に、多くのリーグ戦が存在し、普段からたくさんの試合をしているのだ。
そうした中で、実力がついて結果が出れば、より上のレベルでプレーすることができる。トップレベルでは実力のある者同士で常に切磋琢磨しているから、そこから自然にハイレベルな選手やチームが生まれてくるという考えだ。もちろんエンジョイレベルの層も、普段からリーグ戦を楽しんでいるのである。
日本ではトーナメント戦の文化が定着していて、よい体験もたくさんしてきているので、なかなか受け入れにくい考え方なのかもしれない。それでもこの先、日本が長くスポーツを楽しむ環境にしていくには、リーグ戦の充実が必要だ。リーグ戦とトーナメント戦と、両者のバランスを取りながら楽しむ姿勢が求められるだろう。
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