最高の一瞬『有終の美_森崎浩司(サッカー)』

今回は、私がサッカーを撮ってきて、ご縁のあった日本のレジェンドプレーヤーたちを紹介していきます。

まずはサンフレッチェ広島でプレーした森崎浩司選手です。兄の和幸選手と双子プレーヤーとして知られ、活躍しました。

2006年のことですが、私は2人のファンクラブ会員向けカレンダーの撮影をすることになり、それがきっかけで広島の試合を多く撮影するようになりました。そこからJリーグを3度も制した優勝シーンにも立ち会い、貴重な経験をさせていただきました。

印象的なのは、試合の撮影に行くとウオーミングアップの時などに、撮影の準備をしている私のもとへわざわざ来てくれて、いつも声を掛けてくれたことです。彼らの人間性の素晴らしさは言うまでもありません。

写真は浩司選手が現役引退を発表し、ホーム最後の試合にスタメン出場。そしてゴールを決めたシーンです。

現役時代、うつで苦しんでいたことが知られています。そうした苦労を乗り越えて、最後の最後に華々しく結果を出すなんて。何てすごいんだろうと感動してしまいました。

▼佐野美樹(さの・みき)

1977年、東京都生まれ。写真家いしだまことに師事後、スポーツフォトグラファー梁川剛のアシスタントを経てフリーに。サッカーやレスリングを中心としたスポーツだけでなく、人物ポートレートや料理など、広告やエディトリアルにて幅広い分野で活動している。仕事柄、国内外問わず出かけることが多いため、密かに旅の写真を撮りためている。

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