最高の一瞬『いつものシーン_小笠原満男(サッカー)』

小笠原満男選手は、2011年の東日本大震災の後のインタビューがきっかけで、彼が活動している東北人魂(東北地方復興のためのチャリティ活動)を撮影でお手伝いさせてもらうようになり、試合の撮影なども多くさせてもらっています。

彼のプレーを撮影していて印象的だったのは、写真のようなゴール後に味方が集まって喜ぶ輪のなかでの振る舞い、態度です。

みんなの歓喜の輪に、小笠原選手も寄っていきますが、そこで厳しい表情を見せながら必ず味方に指示をひと声、ふた声掛けるんですね。

この時はおそらく「もう1点取るぞ!」と言って、味方の気持ちを引き締めているのだと思います。

そんな彼のひと言があると、喜んでいたチームメイトたちの顔も、再びピシっと引き締まります。こんなシーンを何度も見てきました。

鹿島アントラーズで何度も優勝を経験し、勝負の厳しさを知る小笠原選手ならではの行動だったのでしょう。

▼佐野美樹(さの・みき)

1977年、東京都生まれ。写真家いしだまことに師事後、スポーツフォトグラファー梁川剛のアシスタントを経てフリーに。サッカーやレスリングを中心としたスポーツだけでなく、人物ポートレートや料理など、広告やエディトリアルにて幅広い分野で活動している。仕事柄、国内外問わず出かけることが多いため、密かに旅の写真を撮りためている。

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