THINK SPORTS『スポーツをする場所』

小中学校で、プールがなくなっているというニュースがあった。学校では授業をせず、外部委託して近隣のスポーツクラブやスイミングクラブで水泳を行うのだという。

たしかに夏場だけ使う学校のプールは維持費などがもったいない気がするし、屋内のプールの授業であれば、天候に左右されなくて済む。そして先生の指導の負担も減り、水泳指導に関してはプロの教えが受けられる。

これなら学校の授業で泳ぐよりも、多くの子どもたちがきちんと泳げるようになる気がする。

学校からスポーツの場は減っていくのだろうか。この水泳の例のように、ハードがなくなればそれは決定的だ。またサッカーや野球のような人気スポーツでは、学校のクラブや部活動でなく、学校外のプロのコーチが指導するスクールやチームでプレーする子どもたちが増えている。テニスやほかのスポーツでもその流れは顕著だ。

学校にはグラウンドや体育館など、ハードがあるのが素晴らしい点である。しかし毎日が忙しい先生に、授業もクラブ・部活動もお願いするのは負担が大きすぎるという問題は、もう何年も指摘されているところだ。

一方で、そのスポーツ別に指導のプロが面倒をみてくれる学校外のクラブであると、学校とはまた別に費用がかかるという現実がある。またハード面の確保は各クラブが苦労している部分であるし、部活動と比べると各学校の時間帯と、クラブの活動の時間帯などが連動しづらいのも難しいところだ。

いずれにしても、子どもにスポーツを楽しんでもらうのに、ちょっと気軽な感じではなくなっているのは心配だ。日本のスポーツ環境が今後どのようなものになっていくのは、注目しないといけない。

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