THINK SPORTS『称え合う文化』

東京オリンピックの話題の一つに、今大会からの新競技、スケートボードがある。競技中の選手たちの、お互いを称え合う姿が素晴らしいというのだ。

各選手の競技が終わるごとの、他選手たちの反応、出迎えが素敵だ。盛んにハグやハイタッチ、グータッチが行われている。「よくやったね!」「すごいじゃないか!」といった雰囲気。ミスして戻ってくる選手たちにも、その姿勢は変わらない。

「何が何でも相手を倒してやる」という感じはない。ベクトルは「自分がいかにいいプレーをするか」に向いている。他の選手たちがそれを近くで見守り、競技を終えた選手はその溜まりに戻ってくる形も影響しているのかもしれない。

勝者と敗者のコントラストが当たり前のスポーツの世界において、ここでは勝者はいるが、敗者はいないという感じだ。いい雰囲気のなかで、お互いのいいところを見せ合っていこうという姿勢がある。

「競技スポーツは、お客さんに見てもらって、楽しんでもらってこそ」の点を考えれば、このスタイルは新たなスタンダードになっていくのではないだろうか。

今後ほかのスポーツにも波及してほしい雰囲気だ。

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