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ハリウッド化粧品。創業約100年の老舗メーカーが、なぜフェンシングを支援するのか?

徳南堅太選手にもらった「3つのカン」

協会のスポンサーになったことで、たくさんの選手を支援できるという点も良かったですね。

選手たちにはフェンシングを披露してもらうだけではなく、講演会で話してもらうこともあります。「戦うチェス」の異名も持つ競技だけあって、皆とても知的で話がうまいんです。

2019年4月の入社式には、男子サーブル日本代表の徳南堅太(とくなん・けんた)選手がサプライズゲストとして駆け付けてくれました。その時に書いてもらった色紙を本社に飾っています。3つのカン、「貫・観・感」というメッセージです。

●1つ目:貫くの「貫」。辛くても最後までやり通すことで、結果に繋がる。
●2つ目:観察の「観」。物事を観察すること、第三者の目線で自分を見る。
●3つ目:感動・感謝の「感」。感動する/感謝することはもちろん、周りの人を感動、感謝させられる人になること。

世界で戦っている選手だからこその言葉ですよね。選手たちからはフェンシングという競技だけでなく、それ以外のことも教えてもらっています。

創業当時から行なってきた災害支援

コロナ禍で、スポーツの価値は上がったと思います。ずっと家にいると、最初のうちは動画配信サービスでもいいけれど、ライブ感・臨場感がなくて飽きてくるんですよね。

今までは「ハイライトを観ればいいや」「録画してまとめて観よう」と思ったこともありました。でも、(コロナ禍を経て)何が起こるか分からない、ライブにこそスポーツの良さがあるんだと実感しました。その瞬間の感動体験を、大切にするべきだと思うんですね。

大げさかもしれませんが、多くの人の1年はスポーツのカレンダーを中心に回っていたと思うんです。夏に甲子園やオールスター戦を観れば、「さあ今年も後半戦を頑張ろう」とか。カレンダーが、スポーツと連動していたわけです。当たり前のことだと思っていたけれど、「スポーツがないのはこんなに退屈なのか」と痛感しました。

弊社は、創業当時から災害復興支援を積極的に行なってきました。今回のコロナ禍でも、会社として何ができるか考えました。例えば頻繁に消毒を行なうことで手荒れを訴える方が増えていることに着目し、しっかり消毒できて手荒れしない商品の開発・製造を行ないました。

急に作ろうと思っても、免許や許認可の問題でなかなか作ることはできません。幸い、うちは国内に自社工場があって、アルコールとヒアルロン酸の両方を持っていました。研究開発から製造までワンチームで迅速に動けるシステムを構築していたため、構想から10日ほどで製造することができました。今後行なわれる大会にも提供していきます。

選手たちも困っているので、SNSに応援メッセージを送ったり、ファンレターを書いてみようとか。多少関係のある人だったら、練習場を提供するとか。困っている時だからこそ選手と接点がとりやすく、選手を身近に感じることができるチャンスだと思います。

こんな時だからこそ、皆が自分にできることがないかを考え、様々な形で助け合えたらいいですね。

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