110万でキャンプ車購入!アウトドア仕様の商用車「トヨタ・プロボックス」に決めたワケ【近藤、クルマを買う②】
「もういい加減、自分の車がほしい」。レンタカーの手続きと荷運びに煩わしさを感じ、予算150万円でキャンプ車を探していたhinata編集部の近藤実(26)。約1年にわたる中古車情報サイト巡りを経て、ついに購入したのは、トヨタの商用ライトバン「プロボックス」。なぜ近藤は商用車をキャンプ車に選んだのか──。実際のキャンプに行くまでの乗り心地や使い勝手とともに、購入の決め手を語ります。
近藤「商用車こそキャンプ車だ」
今注目の商用車プロボックス
予算150万円でキャンプ車を探していたhinata編集部の近藤。中古車情報サイトを眺め続けること約1年。近藤がたどり着いたのが、外装をアウトドア仕様にしたカスタム車に強い横浜の中古車販売店でした。Jeepや国内メーカーの王道SUVも展示されていた中で、近藤の心を射止めたのが、サンドカラーでクラシックなイメージに仕上げられたトヨタの商用ライトバン「プロボックス」。▼前回までの購入に悩む様子はこちら ## 予算内で購入できたプロボックス
近藤が購入したアウトドア仕様車のスペック
モデル:2009年式
排気量:1300cc
走行距離:約4万km
修復歴:なし
購入価格:110万円(車体は85万円)まず近藤を振り向かせたのが、キャンプのトレンドであるサンドカラーのオールペン(全塗装)。バンパーやサイドミラーなどはマットブラックに塗り分けられ、フロントはトヨタの旧型ランドクルーザーを彷彿とさせるクラシックロゴが、アウトドア感を演出します。
足回りはリフトアップ済みで、オフロード向きのマッドテレーンタイヤと、無骨な黒のスチールホイール(鉄チン)に交換。その外観を見たキャンプ好きから、「あっ、キャンプやってるな」という共感の眼差しを感じる一台に仕上げられています。### 気になるお値段と維持費
▲キャンプ場にプロボックスで現れた近藤
アウトドア仕様のプロボックスを選んだ理由について、近藤は色以外に、価格と収納、耐久性の3点を強調します。
近藤:車体の価格は85万円。もっと安い車両にして、後から自分でカスタムすることも考えたのですが、全塗装だけで40万円かかり、リフトアップにホイール、タイヤと手を付けていけば、70〜80万円はします。なので、最初からローンも使えるコンプリートカーを買うのが得策でした。### 「倉庫を借りるならクルマに払いたい」
次々と増えていくキャンプ道具を入れるのに、賃貸マンションの収納だけでは足りず、レンタル倉庫を使っていた近藤。半畳ほどの大きさで月8,000円かかっていたこともあり、プロボックスに期待するのが商用車が誇る収納性です。
プロボックスは、後部座席を倒せば荷室がフラットにでき、成人男性が脚を伸ばしても余裕を持って車中泊できる広さ。一般的なバンより背の低いツーリングワゴンタイプではありますが、身長172cmの近藤があぐらをかいても頭が着かないほど。そこにほとんどのキャンプ道具を入れて保管できるため、倉庫代を節約できるのも近藤にとっては魅力の一つでした。
近藤:ちなみに、今回は7年ローン。月々15,000円の支払いです。でも、レンタル倉庫代と考えれば安いもの!4人でのグループキャンプでも、アイテムを選べば十分に人数に合わせたギアを積載できます。もはや、買わない理由がありませんでした。### 耐久性こそ商用車の魅力
▲「TOYOTA」のクラシックなロゴもポイント
近藤にとっては、「貨物バンのトヨタ・ハイエースなどと同じく、商用車なら30万km〜50万km走ってもトラブルが少なく、耐久性に定評がある」(購入店スタッフ)というのも、長くローンを払う上では安心できた点。
近藤:ガシガシと使える耐久性のほか、維持費が安く済むのもメリットの一つ。商用車(貨客兼用車)の自動車税は14,300円。軽自動車の10,800円をやや上回るぐらいですね。同排気量の小型乗用車(1000cc超~1500cc)なら34,500円。毎年2万円は違ってきます。ただ、車検が2年に1回から毎年になるので、この手間だけは注意が必要ですね。### 気になる商用車の乗り心地
人よりモノを運ぶことを主眼にしている商用車で気になるのは、その乗り心地。内装がシンプルであるのは、商用車では避けられません。近藤の購入したプロボックスも、カスタムは外装のみで、内装はそのまま。
近藤:音は覚悟していたのですが、ロードノイズは予想していたより、あまりしませんでした。もちろん、普通の乗用車よりうるさいのは確かですが…。助手席の人の声が聞こえないといったこともなく、許容範囲内ですかね。### 乗って分かった「商用車」な点
とはいえ、やはり装備面では、約10年前の商用車ならではの妥協点があるのも確か。
近藤:運転席のメーターは全部アナログで、あとは運転席以外の窓が全てクルクルまわす手動というのも買ってから気付きました。まあ、これも考えようでは、電気系統が壊れにくいということですね。
キャンプに行くまでの道中で、休日気分を盛り上げてくれる音楽。しかし、近藤はオーディオ系でも、商用車ならではの、ある点に気付きます。
近藤:そもそもオーディオはラジオしかついていません。カーナビもまだないので、車のFMの電波にiPhoneの音楽を飛ばすFMトランスミッターを使っていますが、それにしても、スピーカーの質が良くないのはっきりと分かるので、これは買い替える必要があるかなと思っています。### キャンプ場内の未舗装路なら問題なし!?
日本国内では普通に走っている限り、泥や岩の悪路を乗り越える走破性が求められる環境は多くありません。とはいえ、キャンプ場では未舗装の道路が多く、ノーマルの乗用車がちょっとした段差や坂道で車体の下部を擦ったり、ぬかるみでスタックしたりするのはよく見る光景です。
近藤:プロボックスはリフトアップしてあるので、キャンプ場内の段差なら難なくクリアできます。ただ、四駆ではなくFF(前輪駆動)なので、オフロードに強いタイヤとはいえ、未舗装の急な上り坂の途中で停車すると、前輪が空転して登れないことがあったのは商用車を感じる点ですね。 ▲手動の窓
それでも、SUVでなく、商用車にしたのは、近藤が「道具」として使いこなしたいから。
近藤:やはり車は使ってなんぼです。日本では車は革靴みたいにピカピカにして乗っている人が多いですが、自分はそう考えていません。普通にキャンプに行くのに乗っていれば傷はつきますし、スニーカーの感覚ですね。予算内で購入できる王道のJeepなどのSUVもあったわけですが、気を使わないで乗れるという点で、商用車が自分の身の丈にもあっていて、正解でした。## キャンプ車になる商用車「プロボックス」
近藤が最終的に購入した商用車「プロボックス」。キャンプサイトにマッチするナチュラルな色合いは、もはや近藤にとってのギアの一つです。ローンに加えて駐車場代1万7000円の固定費が家計を圧迫しつつありますが、アウトドアの体験の幅が広がると考えれば、近藤にとっては「投資」。より深く、より遠い世界でキャンプを楽しむ旅が始まります。 アウトドアで使いたい、クルマ、バイク、自転車…。 タイヤのついたものも、立派なアウトドアギア!
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