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【#6】わらにもすがる思いでYouTubeレッスン ついに「開眼」かと思いきや…?

初めてコースに行って、「184」という人間が出せる限界に近い最低スコアを堂々と記録してみせた私は、その2週間後、2回目のコースでは「187」というスコアを叩き出し、あっさりと人間の限界を超えてしまいました。まさに人間失格。恥の多い生涯を送って来ました。

日々ゴルフスクールに通って、プロから指導を受けていて、その中では自分なりに試行錯誤して、少しずつ良くなっているような気はしているのですが、とにかく結果がついてこない。このままではどうにもならないと焦った私は、わらにもすがる思いでYouTubeのゴルフ動画にどっぷりハマりました。

ゴルフを始めるまでは全く知らなかったのですが、YouTubeには数多くのゴルフレッスン動画が公開されています。手当たり次第に見ているうちに、何となくゴルフの知識が増えるような気がしてきます。

「この人の教え方はわかりやすいな」などと思って、特定のレッスンプロの動画を集中して見てみたり、自分が困っていることに関して「ドライバー スライス」などとキーワードで検索をかけて、そのことが解説されている動画を片っ端からチェックしたりするようになります。

ついに開眼…?

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そんな中で、あるレッスンプロの動画を見ていて、何となく心に引っかかるものがありました。その人が教えている内容は、一般的なゴルフのセオリーには反するような感じがするものでした。でも、その人によると、そのやり方の方がアマチュアにとっては簡単で効果が出やすいとのこと。

次の練習の際に、半信半疑でそれを試してみることにしました。すると……びっくりするほどのナイスショットが打てるようになったのです!これには驚きました。

織田裕二さんなら確実に「キターーー!」と言っていましたし、アンタッチャブル山崎さんなら「クルーーー!」と言っていましたが、私はどちらでもないので静かに拳を握りしめていました。

これが、私がゴルフをやり出してから初めて味わった「開眼」の瞬間でした。なーんだ、そういうことだったのか、というような感覚です。特定されないようにあえて具体的なノウハウは伏せますが、スイングのときにあることを意識するだけで、ヘッドスピードもミート率も格段に上がり、安定したいい当たりが出るようになりました。飛距離も一気に伸びました。

むしろ、今までの練習は何だったんだよ、とも思いました。スクールで丁寧に指導はしてもらっていたし、それは間違っていなかったのかもしれないけど、そこではなかなか上手くならず、YouTubeでたまたま見た動画のやり方を取り入れたら、いきなり打てるようになってしまった。

「何なんだ、これは」と、そのときの私はやや理不尽さを感じていましたが、ゴルフをやっている人なら「まあ、ゴルフってそういうもんだよね」と思うかもしれません。そう、いま振り返ると私もそう思います。恐ろしいことに、ゴルフってそういうものだったりするのです。マジかよ。

そして、もっと恐ろしいことには、理不尽にいきなり上手くなるのと同じように、理不尽にいきなり下手になることもあります。そして、現時点での私の経験上は、前者より後者のパターンがやや多めに訪れるものなのです。

そのノウハウを身につけて、私は「完全に覚醒した」と思っていました。でも、そこは終わりではなく始まりだったのです。調子がいい時期は長くは続かず、そのノウハウだけではやっぱりどうにもならないな、という感じで行き詰まってしまいました。

たしかにゴルフに「開眼」はある。何度も「開眼」することはある。でも、残念ながら「閉眼」もある。ゴルフは「わかった!」と「あれ、わからなくなった」の繰り返し。谷啓さんぐらい頻繁にまばたきを繰り返すのが私のようなガチョーンゴルファーの日常なのです。

YouTubeレッスン動画も悪くない

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YouTubeのゴルフレッスン動画は、現場にいるレッスンプロからは評判が悪いことが多いようです。初心者のうちは自分にどういうレッスンが役に立つのかはわからないから、むやみにレッスン動画を見ても上手くはならないし、いろいろな種類のノウハウを知ってかえって混乱するだけだ、と言われたりするのです。

それも一理あるとは思いますが、個人的にはそこまで悪いことだとは思っていません。私の知る限り、ゴルフ上達には「開眼」が必要です。スクールなどでプロから直接受けるアドバイスでもいいし、練習中に自分で何かに気付いてもいいのですが、何らかの上手くいくやり方を見つけて「わかった!」と思う経験の積み重ねが、ゴルフで上手くなるためには欠かせないのではないか。そのきっかけの1つがYouTubeの動画であっても別にいいんじゃないでしょうか。

たしかにいろいろな動画を見て、何を取り入れたらいいかわからなくなり、混乱して迷走することはあります。でも、その迷走もまた、上手くなるための過程としてポジティブに解釈してもいいのではないでしょうか。

……すみません、80切りぐらいの感じでゴルフ論を語ってしまいましたが、そういえば私のベストスコアは「135」でした。絶賛迷走中なのに迷走を語るというのも、ある意味では迷走の先にある瞑想の境地なのかもしれません。何も考えてはいけません。ただ、一切は過ぎていきます。

>>【連載】連載:ラリー遠田の「ゴルフ沼へようこそ」〜日本一不器用な初心者ゴルファー奮闘記〜

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