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【#17】ゴルフで「左肘を伸ばす」ことが必要な理由。右手主導のスウィングで開眼

あれは今から1年ほど前のこと。当時通っていたインドアゴルフスクールの講師から「フォローで左ひじが曲がっている」と指摘を受けました。基本的に左腕はスイングの間はずっとまっすぐにしておいた方がいいそうです。

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(Photo by ArtMassa)

言われた瞬間は「なるほど」と納得して、ごくごく軽い気持ちでそれを直そうとがんばってみたのですが、これがなかなか難しい。単に腕を伸ばすのがこんなに難しいってどういうこと?厚切りジェイソンなら「WHY JAPANESE PEOPLE!?」と叫んでいるところです。

第一に、自分では曲がっているという意識がなかったので、左腕を伸ばすというのがどういう感覚なのかよくわからない。

第二に、左腕が伸びている状態をキープしようとすると、一応伸びることは伸びるんだけど、左腕に余分な力が入ってしまって、自然なスイングができなくなる。

もちろん講師にも相談はしていて、伸ばした方がいいとは言われますが、どうすればできるようになるのか、という肝心のところはよくわからないまま。結局、問題が解決できずモヤモヤする日々が続きました。「錦鯉のおじさんの方」と言われてまさのりさんか渡辺さんかわからないのと同じくらいモヤモヤします。

そこで「困ったときのYouTube頼み」ということで、YouTubeでこの問題に関係がありそうなゴルフレッスン動画を探して、片っ端から見てみることにしました。その中で、1つのレッスン動画が心に引っかかりました。簡単に言うと、その動画は「右手主導のスイング」を推奨する内容でした。

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(Photo by west)

一般的なセオリーとしては、ゴルフでは右手ではなく左手を使って打つべきだと言われています。左手主導のスイングこそが理想的なスイングであり、右手を使いすぎてはいけない、と。

しかし、そのレッスン動画では「右手主導で打った方がいい」という理論が語られていました。私のようにフォローで左ひじが曲がってしまうのも、右手主導のスイングができていないのが根本的な原因である。右手主導の動きができれば自然に左ひじは曲がらなくなる、というのがその人の主張でした。

その動画を見たとき、半信半疑ながらもワクワク感を抑えられなかったことを覚えています。従来のセオリーの正反対のことを提唱しているのですが、妙に自信たっぷりなところが印象的でした。

そこで、次の練習の際にはその講師の提唱する理論に従い、右手主導のスイングを試してみることにしました。バックスイングをして手元がトップの位置に来たら、そこから右ひじを伸ばして右手を真下に下ろすような動きをするのです。左腕の動きも体の動きも何も考えなくていい。ただ、右ひじをリリースして右腕を下ろせばいい、ということでした。

わらにもすがる思いでこれを試してみたところ、驚くべきことに、いつになくきれいなスイングができていい当たりが出ました。いろいろ試していく中で、こんなに即効性のあるノウハウは初めてだったので素直にびっくりしました。スクールの講師にも褒められました。

フォローで左ひじが伸びているかどうかは自分ではわかりませんでしたが、恐らくそこはクリアできているだろうと思える感触でした。右手主導スイング最高!ゴルフは右手!私はすっかり右手信者になりました。あの講師が高価な壺や印鑑を売っていたら買っていたかもしれません。

(ちなみに、この連載の第6回「わらにもすがる思いでYouTubeレッスン ついに『開眼』かと思いきや…?」で、あるレッスン動画を見たら急に「開眼」したという話を書いたことがありますが、実はそれが今回の話です)

これで万事解決、万事快調、余裕で100切り、と行けば良かったのですが、もちろんそんなに簡単にはいきませんでした。右手主導スイングも最初のうちは調子が良かったのですが、だんだんそれでもミスが出るようになり、なかなか安定しませんでした。

いま振り返ってみて思うことですが、ゴルフの練習で最も重要なのは「再現性」です。1つのうまくいきそうなやり方が見つかったら、それを体に叩き込んで安定させないといけない。いつも同じ動きが自然にできる状態にならないと、それを身につけたとは言えないし、コースで使えるものにはならないのです。

右手主導スイングは、もともとあった悪いクセを直すためのきっかけにはなりそうでしたが、その動きを安定させることはできませんでした。

その後、ゴルフスクールを辞めてしばらく経ってから、ある練習場で今までとは別の講師から個人レッスンを受けたところ、普通に左手主導のスイングを教えられました。それで割と調子が良くなったので、今ではどちらかというと左手中心の意識で振っています。

でも、左手を使っているという感覚はなく、体の動きに合わせて左腕でクラブを引っ張り込む、というようなイメージです。この「左腕で引っ張る」という感覚が、今の自分には一番しっくりくるような気がしています。

いま思っているのは、左手主導でも右手主導でも、本質的にはそれほど大きな違いはないのではないか、ということ。それより重要なのは、とにかく手や腕の力を抜くことです。

「主導」というと、どうしてもそちらの手に力を入れるイメージをしてしまいがちですが、そもそもそれが間違いだったのではないかと考えるようになりました。長くなってきたのでこの話は次回に続きます。

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(Photo by valio84sl)

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