ゴルフ場のカブトムシは誰のモノ? ドロボウにならないために少しだけ注意
「ゴルフ場でカブトムシ採れますか?」という質問をされて、答えにつまりました。
プレー中に、朝早くに見かけることはありますが、採集したことはありませんでした。キャディつきのプレーが主流だった頃は、キャディさんに「カブトムシは何番ホールにいますか?」と聞くゴルファーもいたり…。
今では、ホームセンターや道の駅などでも販売していて、カブトムシとクワガタは、夏休みの子供たちに人気がありますね。子供の頃、ゴルフに行った父親がお土産としてカブトムシを持ち帰ってくれた、という経験をしたことのある方もいるのではないでしょうか。
そういえば、夕方から夜になる数時間、許可を得てコース内の街灯の下で灯火採集をしたことはありました。もう15年以上前のことで、何度か挑戦して、運が良いときは20数匹を採集しました。
コースによっては、カブトムシをケースに入れて売っているところもあります。
サービスで配っていたコースもありました。いずれも、管理スタッフが早朝か、前の日の夜に採集したものです。ゴルフ場によっては、カブトムシはカラスに食べられちゃうからどんどん持って行ってください、という場合もあります。
法律では、昆虫は動き回る性質から原則として、採集した人に所有権が生まれます。つまりカブトムシは捕まえてもOK。しかし、多くのゴルフコースは利用約款には(どのコースにもあり、希望すれば見せてくれる利用者のマニュアルみたいなもの)、何も取ってはいけません、という要項があったりするので、一応は注意が必要です。
「最近は、とんでもないドロボウがいて、呆れますよ」と、ゴルフコースのスタッフが嘆いていました。きれいに咲いた野生の花や、野草などを採取するは昔からいましたが、最近は、花壇の花や、明らかに野生ではなく管理している草花を盗んでいくケースがあるらしいのです。
ちなみに、草花の所有権は土地の所有者のものですから、ゴルフコース内で無断で草花を採取するのはドロボウになる可能性があります。美しいからという理由だけで採取して、持って帰るという発想は、無邪気な子供でも許されないものです。落ちているものを拾っただけだという主張をする輩もいるようですが、コースが被害届を出せば、盗難事件として調査が始まり、逮捕されても文句は言えません。少し大げさですが、頭の片隅に留めておきましょう。
どうしても、欲しいものがあったら、黙って持って行くのではなく、まずはコースに相談してみるとことです。ケースバイケースですが、採取に協力してくれることもありますし、入手できる別の方法を教えてくれるかもしれません。
当たり前ですが、NO ということであれば、キッパリと諦めるだけです。
カブトムシと草花は違うかもしれませんが、カゴの中のカブトムシを取るのは人の物を取るドロボウ、とわかる人であれば、花壇の花も取って良いわけはない、とわかるはずです。
そもそも、美しいものは、その場で見て愛でるもの。
一瞬の出逢いに感謝して、美しさに和むだけで十分ではないですか?
いよいよ夏本番。野生の昆虫も数を増やします。カブトムシは採集してもOKですが、草花はダメ。簡単な話を複雑にせず、ゴルフを楽しめば良いだけです。
(取材/文・篠原嗣典)
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