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健康診断がセーフでも『仮面高血圧』がゴルフ寿命を縮める! ラウンド中の突然死を防ぐ対策とは

麺類やパンはそのもの自体に塩分が多く含まれているため、高塩分が大敵の高血圧には要注意。その点、ご飯なら、塩分は少ない(撮影:GettyImages)

高血圧がさまざまな大病を引き起こす危険があることはご存じのとおり。また、健康診断がセーフで自分は正常値と思っている人の中にも、早朝や緊張の場面で血圧が跳ね上がる「仮面高血圧」の人が多いという。そうした人たちはどんな対策を心がけるといいのか。高血圧治療に詳しい自治医科大学内科学講座循環器内科の苅尾七臣教授に聞いた。

「健診で血圧が高かった人も、仮面高血圧の人も対策は同じです。ポイントは食事、運動、薬。食事は塩分を控えつつ『排塩』を意識し、ナトリウムを排出する栄養素を積極的に摂ること。緑黄色野菜や海藻類、きのこ類などに多く含まれるカリウム。そして野菜類、きのこ類、豆類などに多く含まれる食物繊維が排塩にオススメの栄養素です」

運動は血管が拡張し、血液がスムーズに流れやすくなるのがメリットだという。

「薬も大切です。血圧が安定すると自己判断で薬をやめてしまったり、薬があるからと食事療法や運動を放棄する人がいますが、どちらもNG。医師と相談しながら、生活習慣や運動によって薬の不要な状態を目指しましょう」

これらの基本を踏まえつつ、血圧コントロールに効くゴルファー的生活習慣を身につけていこう。

【プレー中のおやつにはバナナをチョイス】
バナナにはカリウムが豊富に含まれており、体内のナトリウムを排出する働きがある。

【プレー中は早足で歩く】
できるだけカートに乗らず、早足で。心拍数が1分100~120回になるぐらいの速度で歩くのが理想。

【OBを打ったら深呼吸】
ストレスで血圧が急上昇したときの応急処置が深呼吸。5秒かけて鼻から吸い、10秒かけて口から吐く。これをくり返すと自律神経が安定し、気持ちも血圧も落ち着いてくる。

【クラブハウスから出るときは厚着をする】
「体が温まれば邪魔になるから」と薄着で寒い場所に出るのはNG。寒さや冷たさによる刺激は、最小限に抑えよう。

【朝食時に牛乳を1杯飲む】
朝食にたんぱく質をとると、高齢者の血圧を下げられるという研究結果が。牛乳を飲むことで朝、血圧が急上昇するモーニングサージの予防が期待できる。

【昼食は麺類ではなく和定食】
パンや麺類は、主食そのものに塩分が含まれている。その点、ごはんなら塩分は少ない。しょう油やソースなど調味料をつけるおかずは、かけ過ぎに注意。

【食後はすかさずパター練習場へ】
食事の直後に運動すると、血糖値の上昇を避けられ、血管の負荷が下がる。運動強度は低くてOK。サッと立ち上がってパター練習場へGO!

【行きの車中ではコーヒーを飲む】
コーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」には、血管壁を修復し、高血圧を改善する効果が認められている。飲み過ぎないよう、推奨されているのは1日3杯程度。

【スクワットで足腰を鍛える】
筋肉は血液を送り出すポンプの役割を果たしている。特に心臓から遠い下半身の筋肉をつけることで、降圧が期待できる。スイングの安定のためにも、スクワットを日課にしよう。

【スコアにこだわりすぎずプレーを楽しむ】
緊張感が高まると、血圧は上がりやすい。スコアより、プレーを楽しむことに集中しよう。プレッシャーから解放されることで、好スコアも期待できるかも!?

■刈尾七臣
かりお・かずおみ/自治医科大学内科学講座循環器内科学部門教授。自治医科大学附属病院循環器センター・センター長。『運動を頑張らなくても血圧がみるみる下がる食べ方大全』(文響社)など著書多数

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