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「完璧なショット」畑岡奈紗が魅せたスーパープレー 地元・茨城で今季初Vへ

地元ファンの応援を力に。畑岡奈紗が今季初Vをつかみにいく(撮影:鈴木祥)

<TOTOジャパンクラシック 3日目◇4日◇太平洋クラブ 美野里コース(茨城県)◇6598ヤード・パー72>

日本のエースが地元・茨城でその強さを発揮している。首位タイからスタートした畑岡奈紗は7バーディ・1ボギーの「66」をマーク。トータル20アンダーの大台に乗せ、トップの座も維持した。大会2勝目、今季初優勝に向けて、最高の舞台を整えた。

4番で3メートルを決めて1つ目のバーディを奪うと、6番からは3連続。10番ではボギーを叩いたが、そこからは3つのバーディを獲って停滞しなかった。60台がなかなか出なかった最近の傾向からは一転、最後までぐんぐんと伸ばしていく。「最近できていなかったこともこのコースでは悪い方向にいかずに、ひとホール、ひとホールで向き合えていると思う」と、連日のビッグスコアでリーダーボード最上位に名前を載せ続けた。

圧巻だったのは14番。「フェアウェイに置いておきたいところでラフに行ってしまった」とティショットが左のラフへ。一段低くなっていて、さらに目の前には木があり、グリーンを直接狙えない状況。グリーン右に構えるバンカーをOKとしながら、6番アイアンで花道を転がすイメージで放った打球は、低いドローの筋を描いてピン奥3メートルにつけた。

「完璧なショットだった」という会心の一打。「ちょっとつま先上がりだったので、狙い通りにいければ花道に行くかなと思っていた。フック目に打たないとバンカーに入ってしまうので、ライもうまく使ってでした」と、世界トップレベルの技を披露し、地元の大ギャラリーを沸かせた。

連日の「66」でトータル20アンダーまで伸ばしたが、「プレーしているあいだはスコアを数えずにやっていた。ティショットが荒れているなかでもうまくリカバリーできていたし、いいゴルフだったと思う」と振り返った一日。2003年にアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が記録したトータル24アンダー(3日間競技)というトーナメントレコードも気になるところだが、「(この3日間で)それはできなかったですけど、同じように伸ばしていかないといけないと思う。前半からいいマネジメントができれば」とラスト18ホールを見据えている。

本大会を含めて今季はあと3試合。佳境を迎える中で、待望のシーズン初優勝へ絶好の機会が訪れた。最終日を首位で迎えるのは今年7月の「全米女子オープン」以来となる。思うような一年を送ることができなかった日本のエースが、母国で勝利をつかみとってみせる。(文・笠井あかり)

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