親子での海外生活が間もなくスタート! 勝みなみが渡米前に抱く“3つの不安”
今季から米国を主戦場にする勝みなみ。まだアマチュアだった高校1年時にレギュラーツアー優勝を果たし、プロに転向してからも7勝。2021、22年には国内最高峰のメジャー大会「日本女子オープン」で連覇を成し遂げた24歳が、再びルーキーとして新たなチャレンジに乗り出す。
「アメリカのコースを回れるのは楽しみだし、雰囲気も違うので、それを味わいたい」と、3月末になりそうな渡米を前に自然と気持ちは高まっていく。5位で通過した昨年末の米予選会(Qシリーズ)では、「飛距離や、パターの読み、ストロークも良くて劣ってないと感じた」とプレーへの自信も深めることができた。
とはいえ、これから始まる異国での生活を想像すると、当然ながら不安に感じることも多い。真っ先に浮かんでくるのが「日本よりも長いし、十何時間も飛行機に乗らないといけない」という移動面だ。国土面積が日本の約25倍を誇る米国とあって、それは無理もない。国内で時差もあり、毎週そこも調整しながら試合を迎えることになる。選手自ら荷物を持って移動するケースがほとんどという“常識”も、これまでとは大きく異なる。ここは海外から来た選手が、最初に頭を痛める部分といえる。
さらに「言葉」も高い壁として立ちはだかりそうだ。現地のキャディとともに戦っていくことが決まっていることもあり、「ゴルフ用語や日常会話くらいはできたほうがいいとは思うんですけど」と感じるが、「勉強には…踏み出せてないですね」というのが実状だ。韓国好きの勝は、日本ツアーでも韓国選手と親しい関係を築くことも得意。そして新天地も同国出身選手が多くプレーすることもあり、「韓国語はすごい覚えられるんです。どうしよう…韓国語ばかり話せるようになったら(笑)」という部分も“ひっかかっている”。
この他にも、「日本ならすぐにケアしてもらえる」という体のメンテナンスをどうしていくかも課題。現地生活を助けるマネジメント会社との契約が10日に発表されたが、チームとしてともに移動するのは母親の久美さんがメインになる。母娘2人が手をとりあい、慣れない土地でツアー生活のベースを作りあげていく必要がある。
畑岡奈紗や渋野日向子、古江彩佳らがすでに米ツアーでプレーしており、今年から西村優菜も主戦場を移す。とはいえ「行ってみないと何が不安なのか、何を聞けばいいのかはわからない。現地で疑問があれば、それを聞こうと思っています」と、まずは自分の肌でしっかりと違いを感じることからスタートする。元小学校教師の久美さんが英語を「少し話せる」ことは救いでもある。そして好みに合わないとこちらも苦しむことになる食事面については、「(Qシリーズで)2週間アメリカで生活したとき苦ではなかった」と不安も小さく、これもアドバンテージに。しっかり食べて、体力面はいい状態をキープすることはできそうだ。
プレー面では「いろいろな打ち方を試されるアプローチや、100ヤード以内(のショット)を強化したい」というのが課題。特に1年目は知らないコースの連続で、日本ではなかなかお目にかかれない芝にも対応していく必要がある。「まずはベースになる距離をしっかり打てるようにならないと難しい。常にワンピン(2.5メートルほど)に寄せる自信をつけていきたいですね」。コース内外で備えるべきものを備えて、すぐに力が発揮できる状況に持ち込みたい。(文・間宮輝憲)
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