前年覇者のスコッティ・シェフラー グリーンジャケットの思い出はMLBの始球式
<マスターズ 事前情報◇4日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7545ヤード・パー72>
昨年のマスターズチャンピオン、スコッティ・シェフラー(米国)がグリーンジャケットとともにオーガスタに帰ってきた。日曜日からオーガスタに入って練習ラウンドで回っているのが、昨年とは違う点。火曜日の夜は前年覇者としてチャンピオンズ・ディナーに出席しディナーを振る舞うのもはじめて。開幕前の公式会見では「特別な夜になると思うし、楽しい時間を過ごしたい」と語った。
松山英樹のときもそうだったように、マスターズに勝つと、その証でもあるグリーンジャケットを一年限定で外に持ち出すことができる。シェフラーは思い出を聞かれて、地元のMLBチーム、テキサス・レンジャーズの始球式を挙げた。「ボタンを外すのを忘れて、ボタンを壊しそうになりながら始球式をやったんだ。あれは楽しかった」と振り返る。
しかし、「ほとんどクローゼットにしまったまま」で、あまり外に持ち出すことはなかった。「トーナメントまでのあいだ、毎日見ることができたし、家の中にあるだけで楽しかった。フィル(・ミケルソン)みたいにファーストフード店には着ていかなかったよ」と笑う。
昨年は2月のツアー初優勝から4月のマスターズまで、立て続けに4勝を挙げて一気に出世街道を突き進んだ。最大の贅沢を聞かれると「まだ新しい車は買っていないし、同じ家にいる。水風呂の浴槽を買ったのが大きな贅沢だった。優勝するたびに買うテキーラのボトルをみんなで分け合ったり、おいしい料理を食べたりしてお祝いするのが楽しい」という。この2年で6勝を挙げて、2570万ドル以上(約34億円)を稼いだが、その生活自体に大きな変化がないことを強調する。
現在の世界ランキングは1位シェフラー、2位ローリー・マキロイ(北アイルランド)、3位ジョン・ラーム(スペイン)の順。実際、PGAツアーの公式サイトの優勝予想でも、1位シェフラー、2位マキロイ、3位にジェイソン・デイ(オーストラリア)を挟んで、4位にラームとなっている。
それについて聞かれた世界No.1は、「今年に入ってから、僕たちはかなり高いレベルにいる。ほとんどの大会で優勝に近い位置でプレーしている」と話す。無欲なシェフラーか、キャリアグランドスラムがかかるマキロイか、セベ・バレステロス、ホセ・マリア・オラサバル、セルヒオ・ガルシアに次ぐスペイン勢優勝となるラームか。果たして今年のグリーンジャケットの行方は?(文・下村耕平)
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