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「ゴルフを続けてきて良かった」吉田弓美子が36歳バースデーにおひさしぶりの首位発進

吉田弓美子が首位タイ発進 久々の好スコアに何を思う?(撮影:鈴木祥)

<パナソニックオープンレディース 初日◇28日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6656ヤード・パー72>

首位発進は2014年の「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」以来9年ぶり。吉田弓美子が照れくさそうな表情で、久しぶりの好プレーを振り返った。

ツアー通算7勝のベテラン。近年は体調不良も重なり、レギュラーツアーでは姿を見なくなっていた。下部のステップ・アップ・ツアーの出場者に名前を見ることはあっても、レギュラーツアーの上位などご無沙汰もご無沙汰。今年は昨年末の予選会で30位に入ったことで前半戦の出場権を獲得。「本当にご無沙汰過ぎますね」と笑顔で帰ってきた。

この日は36歳の誕生日。10年前には年間3勝を挙げて賞金ランキング5位にも入った。ところが17年の同25位を最後に、同ランキング50位にひっかかることはなくなった。しばらくはゴルフから離れた時期もありつつ、励みになったのが同世代の存在だ。「私は落ちるとこまで落ちた人間なので、そのすごさが分かる」と、昨年復活Vを飾った先輩の藤田さいきや、常に高いモチベーションで戦う上田桃子、同い年の穴井詩や有村智恵らの頑張りが励みだった。

「自分が36歳になるときに、まずレギュラーツアーにいられると思っていなかったですし、こんなにいいスコアで回れるとも思っていなかった」と今季初の60台には驚きを隠さない。だからこそ、「諦めなければ最後まで何があるか分からないんだな、というのを実感しましたし、今日一日だけでもゴルフを続けてきて良かったなと思いました」としみじみと語る。

7勝もしているからこそ、威勢よく『優勝』という目標を語ることはない。「自分も7回優勝してきている身なので、まだ『違うだろうな』というのは何となく思っていて」と、そういう状態ではないことはわかっている。それでも若い頃と違い、苦しんだ時間を経ていま思うのは、「状況を楽しんでいる」ことだという。悩みや苦しみから一度解放されたからこそ、いまは純粋にゴルフを楽しむことができている。

2日目以降については「頑張ります」という言葉が何度も続く。周囲の期待とは裏腹に、吉田はいまできることを楽しみながら頑張ることしかできない。その先にはもしかすると、優勝の2文字があるのかもしれないが、まずは2日目の頑張りを見守りたい。

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