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ゴルフボール 1ダース7,000円台と1,000円台の安いボール。何でそこまで値段が違うの?

低価格帯のボールはショートゲームでスピンが入りにくいモデルが多い

高いボールと安いボールの大きな違いは、その構造によります。安いボール、特に1ダース1,000円台のボールは2ピースボールと呼ばれる、コアとカバーの2層構造のボールです。製造も2層で、技術的にも成熟しており、比較的技術が高くなくても生産できます。コストを抑えるため、生産国もアジア地区で生産することが通常。そのため、原材料も比較的安くすることができます。

この安いボールはディスタンス系と呼ばれるジャンルのものが多く、コントロールよりも飛びに特化したものがほとんどを占めています。飛ばすために、カバー材は硬く、コアは軟らかいものを使って、スピンを抑えて飛ばす構造のボールが多くみられます。ターゲットはアベレージゴルファー。また、パッケージもシンプルなものが多く、ここでもコストを抑えています。
 
一方、5,000円台以上のボールは多層構造のものが大部分。3ピース、4ピース、5ピースボールと呼ばれ、コア、中間層、カバーの多層で3層、4層、5層構造のボールです。多層になれば、開発にコストがかかり、製造も難しくなるので、製造コストも上がっていきます。最新の技術を投入し、材料も、コア、中間層、カバーなど多様な原材料が必要になり、必然的にコストもアップしてきます。
 
これらの高価格帯のボールは、プレーヤーが求める、ドライバーで飛んで、アプローチでスピンがかかるコントロール系と呼ばれるジャンルのものに多く、プロが求める打感にこだわったモデルがほとんど。ターゲットはプロやアスリートゴルファー。カバーもウレタン系のものが多く、これはアプローチでスピンがかかる素材。パッケージも、各メーカーのフラッグシップのボールなので店頭で目立つようなパッケージです。
 
ここでゴルファーにとって重要なのは、値段の高い、安いにかかわらず、これと決めたら、なるべく同じボールを使うこと。ボールにより、個性があり、飛び姿(打ち出し角度)、飛距離、打感を含め、すべて違っています。つまり、毎回違う種類のボールを使っていると、アイアンショットやショートゲームの距離感などの感覚が固定されず、養われにくくなるからです。自分のプレースタイルにどのボールが合っているか試してみて、その中から選ぶことが肝要。もし機会があれば、低価格と高価格のボールでアプローチを打ち比べてみることをオススメします。打ち出した瞬間の球の高さ(上がりやすさ)、スピンの入り方など、その違いを実感できると思います。
(取材/文・嶋崎平人)

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