• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 石川遼が流れを引き戻して3日連続60台 同組のアイアン名手は「フェアウェイバンカーの感覚がすごい」

石川遼が流れを引き戻して3日連続60台 同組のアイアン名手は「フェアウェイバンカーの感覚がすごい」

メジャー覇者コリン・モリカワ(右)と握手をかわす石川遼(撮影:岩本芳弘)

<ZOZOチャンピオンシップ 3日目◇21日◇習志野カントリークラブ(千葉県)◇7079ヤード・パー70>

千葉県で開催されている米国男子ツアーは、第3ラウンドが終了した。米ツアー2勝目を狙う小平智が2バーディ・1ボギーの「71」をマーク。首位と3打差のトータル6アンダー・5位タイで最終日に臨む。

トータル3アンダー・8位タイで3日目をスタートさせた石川遼は、2番パー4でバーディが先行した。ところが、5番パー3では左のラフから、9番パー4ではグリーン手前の距離のあるバンカーから、10番パー4では手前のラフから、いずれもアプローチを寄せきれずにボギー。その時点でトータル1アンダーまでスコアを落とした。

続く11番のパーで連続ボギーを断ち切るも、12番ではまたもラフからのアプローチが残ってしまった。「ピンチが続いているので、ものにできればチャンスに変えられる」と、ランニングアプローチをしっかり寄せてパーでしのぐ。その言葉通り、石川の反撃が始まる。

13番のバーディで1つ戻すと、608ヤードの14番パー5では、右奥のピンに対して159ヤードの3打目が残った。「もし7番アイアンで合わせにいって奥にこぼれたら、流れ的にも厳しいと思った。アゲインストでギリギリでしたけど、8番アイアンでしっかり打って、下の段に落ちてしまってもしょうがない気持ちで」。そのショットをピンにピッタリとつけて、12番のパーセーブから連続バーディで流れを引き戻した。

最終18番パー5では2打でグリーン近くまで運ぶと、アプローチは直前に62度から57度のウェッジに持ち替え、ワンクッションでカップをかすめてギャラリーを沸かせた。「57度で打って奥2メートルに行くぶんにはラインも見えるし、手前のミスも消せる」と、まさにイメージ通りのアプローチだった。

「ゴルフのスコアを占める要素は、ロングゲームだったりショートゲームだったり、本当にたくさんある。あとは流れをつかんでいく力や読む力だったり。いろんなことで成り立っていると思う」。今日はまさにゲームの流れをつかんで、ズルズルと後退するのを防いだ。

今日は、メジャー2勝を含む米ツアー通算5勝のコリン・モリカワ(米国)と、米ツアー通算2勝のイム・ソンジェ(韓国)ら実力者ふたりと同組だった。モリカワはショットのスコアへの貢献度を表す「ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン」で1位になったこともある世界トップクラスのアイアンの名手。今日は3連続と4連続を含む8バーディを奪って、「66」と伸ばしている。

石川が驚いたのは、そんなモリカワのフェアウェイバンカーからのショットだった。

「10番のセカンドは左足下がりからの打ち上げのフェアウェイバンカーだったのですが、めちゃくちゃ難しいショットをボールだけクリーンに打ってコントロールしていた。アメリカのバンカーは少し沈むので、この状況が楽に感じるのかな。フェアウェイバンカーからの感覚がすごいと思います」と舌を巻いた。

そんな世界トップクラスの選手たちとのプレーを楽しむ一週間も、明日で最後。「明日の朝もいい準備をして、ラウンドがスタートしてからまたストーリーが始まっていく。明日は最善を尽くして、ちょっとずつでも前に進められたらなと思います」。米ツアーの刺激を受けながら、明日も自分のゴルフを貫いていく。(文・下村耕平)

関連記事