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明日のラウンド雨予報 難しいキャンセルの判断 それでもアナタは行きますか?

雨が降ったらキャンセル、というのが令和の時代セオリーになりつつある?(撮影:藤井孝太郎)

ゴルフが育ったスコットランドは、ゴルフは雨天決行が原則です。日本でも昭和の時代は雨天決行が鉄の掟でした。それこそ、槍が降ってもという感じで、台風の中でもコースがクローズにならない限りはプレーするのが当たり前で、自分も何度も台風の豪雨の中で、ゴルフをした思い出があります。

時代は流れて、令和のゴルフブームの中では、雨天決行は昔話になりつつあります。ただし、無断キャンセルは、御法度。人としての見識を疑われますし、誠意がないと判断されれば、ブラックリスト入りで、そのコースへの出入り禁止を通達されてもおかしくないからです。

どんな悪天でも、スタート時間前までに電話でコースへのキャンセルの連絡をするのが礼儀。連絡がないと、コースに向かっている途中なのかもしれないと、コースのスタッフは来場者を遅い時間まで待たなければならないからです。

前日、前々日になれば、かなりの精度で天気予報は当たります。雨天キャンセルは、そのぐらいのタイミングが好ましく、できれば、スライドで別の日に予約を取り直すのがスマートです。現在のゴルフコースは、豪雨でクローズするケースが多々ありますが、これは危険な中でプレーをさせて、万が一の事故が起きたときに、コースが責任を問われないためのリスク回避なのです。

雨天キャンセルをすることが普通に出来るようになった令和時代には、新たな悩みも生まれています。同伴者の同意が得られない問題です。自分は行きたいけれど、同伴者はやめたい、というように、全員一致しないことがあるのです。親しいメンバーなら、互いの性格などもわかるので、ざっくばらんに話し合って、行きたい人だけで2サムでプレーすることになった、という解決法で良いのですが、あまり親しくないメンバーだと調整が難しいのは想像できます。

この場合でも、天気予報などを調べて、数日前から相談するのが正解のようです。例えば、土曜日の予定を日曜日変更できるか? というように“やる気”を出した代案なども入れて、コースへの空き状況なども調べてから、メンバーで相談することで嫌な思いをすることは回避可能。直前になって互いの考え方が違うことが判明すると、トラブルになることもありますので、事前に意思の疎通をして回避しましょう。自分はやりたい、やりたくない、は、遠慮なく伝えることが、結果的に、お互いの理解を深めることになります。

注意したいポイントは、雨でもゴルフをしたいという同伴者が一人でもいたら、多数決で押し通す前に冷静に考える時間を取ることです。どうしても雨でもゴルフがしたいという人がいた場合は、お付き合いすることで親密度は一気に増すというプラスもあります。こういう所で、人間性や協調性がお互いに見えるので、生涯付き合えるゴルフ仲間を得るチャンスでもあるからです。

時間をおいて熟考しても、一人だけ行きたい、という状況に変わりがなければ、多数決で次の機会にしましょう、と伝えるようにします。時間をおくことで、その人も冷静になりワガママは言えないよね、という空気になることも多いのです。

日本のゴルフの防水アイテムも世界一。それを実感したくて、雨のゴルフに挑むという強者もいます。雨は嫌ですが、雨ゴルフも楽しみ方がわかると、それなりに面白いものです。

雨ゴルフでなければ経験できないこともあります。例えば、途中で雨が止んで、虹が出たり、あらゆるところで水玉ができてピカピカしていたりするシーンは、ゴルフの神様の贈り物だとしか思えない神秘的な美しさに感動させられます。

この国のゴルファーは、雨ゴルフと切っては切れない関係です。雨ゴルフが下手なままでは半人前なのかもしれません。昭和の雨天決行が常識だった時代からゴルフをしていた経験で、家を出るときも雨、天気予報も雨という状況だけど、ゴルフコースに行ってみたら雨が上がって快適にゴルフが出来たこともたくさんありました。そういう経験を経て、断言できます。雨でもコースまでは行く、というのが模範解答です。

コースに着いてから、フロントでサインをする前に(サインインすると、スタートする意思がある意思表示になるので)、最終判断を相談しているゴルファーもたくさんいます。やめるつもりでコースに着いて、雨具を着込んでいるゴルファーを見た瞬間に“負けてられない”というスイッチが入って、雨ゴルフをすることも、あるある話です。

でも、そういう雨ゴルフに限って、やって良かった、と思える嬉しいことや面白いことがあるのも、ゴルフの魅力なのです。

(取材/文・篠原嗣典)

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