蛭田みな美が涙のツアー初優勝「自分でも信じられなくて…」

初優勝を果たして歓喜の涙を流す蛭田みな美(撮影:上山敬太)

<CAT Ladies 最終日◇20日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>

逆境をはねのけた。26歳の蛭田みな美がトータル13アンダーで首位に並んだ西郷真央をプレーオフで破り、念願のツアー初優勝を果たした。

前半から快調だった。4番パー4でバーディを先行させると、その後も2つ伸ばして単独トップでのハーフターン。後半15番でこの日初ボギーを喫したが、続く16番ですぐに取り返すなど勝負どころでの集中力が光った。

だが、西郷に1打リードで迎えた最終18番パー5で流れは一変する。西郷がバーディを逃し、2打目を約1.5メートルにつけた蛭田は2パットでも優勝が決まる状況となった。ところが、ここでまさかの3パット。初優勝が手からスルリとこぼれ、プレーオフへともつれ込んだ。

だが、延長戦の1ホールで優勝をたぐり寄せるスーパーショットが生まれる。ティショットを右へ曲げた蛭田は、2打目をフェアウェイに出すことができず。対する西郷は1打目、2打目ともにフェアウェイと有利な状況を作った。しかし、蛭田のラフからの3打目。アイアンで放った一打はグリーンに着弾すると、傾斜を下ってスルスルとピンに向かった。ピンそば約1メートルにつけるスーパーショットだ。

負けじと西郷もバーディチャンスにつけたが、フックラインを読み切れずにバーディならず。続く蛭田のウィニングパット。これをしっかりと沈めてギャラリーからの大喝采を浴びた。グリーンそばで見守っていた大先輩・藤田さいきとハグで喜びを分かち合った。

優勝スピーチは簡潔だった。あふれ出る涙により、言葉をつむぐことができなかった。「自分でも信じられなくて…。今まで応援してくださったみなさまに、お礼を言いたいです。本当にありがとうございました」。

自身初のプレーオフを制して、念願のツアー初タイトル。絶体絶命の状況から栄冠をつかみ、一皮むけた26歳が大箱根からさらなる飛躍を遂げる。

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