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2023年に改正された16のゴルフルール総まとめ! 改正のポイントを徹底解説

1.初心者も知っておきたいプレー進行に関する5つの改正点

競技への出場の有無に関係なく、普段プレーする際に関係する変更であるため、初心者からベテランゴルファーまで幅広く押さえていてほしい規則として、以下の5つを解説する。

  • 【1】自立式パターで方向を確認することが2025年から規則違反になる
  • 【2】自然の力が動かしたボールが他のエリアなどに転がった場合リプレースしなければならなくなった
  • 【3】間違ってボールを取り替えたときの罰が軽減される
  • 【4】後方線上の救済エリアの範囲が「どの方向にも1クラブレングス以内」に広がった
  • 【5】地面にくい込んだボールの救済の基点がジェネラルエリアに制限された

【1】自立式パターで方向を確認することが2025年から規則違反になる

2023年の改正によって、アライメントを確認するための使用が認められないことが明記され、2025年1月1日より施行されることとなった。2025年からはボールのすぐ後ろに自立式パターを置き、後方からラインを読むなどの行為をすると、2打の罰が科されることとなる。ただし、用具規則に適合したパターであれば、単純にストロークを行うためには使用可能だ。
 

【2】自然の力が動かしたボールが他のエリアなどに転がった場合リプレースしなければならなくなった

2023年の改正により、ドロップ、プレース、リプレース後に止まったボールが、風や傾斜などの「自然の力」によってボールが動かされ、他のエリアやペナルティーエリアなどに止まった場合に、リプレースすることが義務となった。

これまでは、ドロップなどしたボールが静止してインプレーになった後に自然の力によって動かされた場合であっても、あるがままにプレーしなければならなかった。例えば、池から1打罰の救済を受けて、ジェネラルエリアにドロップして一旦止まったボールが傾斜で動き出して池に落ちてしまった場合、再度1打罰でドロップするしかなかったのだ。

しかし、今回の改正によって無罰で元の位置にリプレースができるようになり、より公平性が増したといえるだろう。
  

【3】間違ってボールを取り替えたときの罰が軽減される

これまでは、プレー中に間違ってボールを取り替えた場合一般の罰(ストロークプレーで2打罰、マッチプレーではホールの負け)だったが、2023年の改正によって1打の罰に軽減された。

特に注意してほしいのはグリーン上だ。グリーン上でマークした際にポケットにボールを入れ、取り出すときに予備のボールと間違えてしまうことが想定される。取り間違えて1打が加算されては非常にもったいない。必ず同じボールを使うようにしよう。

【2023年ゴルフルール改正】ボールを取り替えてプレーした罰が2打から1打に軽減」では、ボールを取り替えられる場合についても紹介している。
 

【4】後方線上の救済エリアの範囲が「どの方向にも1クラブレングス以内」に広がった

今までは基点よりピンに近づかないようにしなければならなかったが、2023年からは1クラブレングス以内に止まれば救済が完了となり、プレーを再開できるようになった。

詳しい救済方法については「【2023年ゴルフルール改正】後方線上の救済エリアが『どの方向にも1クラブレングス』に広がった」を確認しよう。
  

【5】地面にくい込んだボールの救済の基点がジェネラルエリアに制限された

2023年の改正によって、地面にくい込んだボールの救済の基点は、ジェネラルエリア(ティーイングエリア、ペナルティエリア、バンカー、パッティンググリーン以外のすべての場所)に制限されることとなった。これにより、ボールの直後にジェネラルエリアがない場合、基点が決められなかったという問題の解決が期待されている。

地面にボールがくい込んだときの対処法については「【2023年ゴルフルール改正】地面にくい込んだ球の救済 基点がジェネラルエリアに制限された」を確認しよう。
 

2.競技ゴルファーが押さえるべき6つの改正点

競技に出るのであれば、1打で勝敗が左右することもあるため、以下の6つの改正点は必ず押さえておこう。

  • 【6】障がいを持つゴルファーが競技に出やすくなった
  • 【7】プレー中に破損したクラブの交換が可能になった
  • 【8】2つ以上のルール違反の数え方がシンプルになった
  • 【9】クラブ特性を変えるものに「外部付属物」が明記された
  • 【10】ボール捜索の追加時間が1分と明記された
  • 【11】パットしたボールが虫に当たったときに再プレーできなくなった

【6】障がいを持つゴルファーが競技に出やすくなった

これまでオフィシャルガイドの巻末に掲載されていた「障がいを持つプレーヤーのためのゴルフ規則の修正」がゴルフ規則の25条として明文化された。すべての競技で適用されることになり、障がいを持つゴルファーが競技へ参加しやすい環境が整った。

この規則は、障がいを持つゴルファーがプレーする際に規則違反とならないためのルール。例えば、盲目のプレーヤーがスタンスを取るときや目標を定めるときなどに補助員から支援を受けられるといったように、本来規則違反である行為が認可されている。

障がいを持つプレーヤーのためのゴルフ規則の修正については「【2023年ゴルフルール改正】障がいを持つゴルファーがより競技に出場しやすくなった」にて解説しているので、ぜひご覧いただきたい。
 

【7】プレー中に破損したクラブの交換が可能になった

これまでは、ラウンド中のクラブ交換は原則認められていなかったが、2023年からシャフトが折れたり、ヘッドにヒビが入ったりといった場合交換できるようになった。ただし、自分のプレーに腹を立てて、クラブを折ったり、叩きつけたりといった乱暴に扱ったケースは適用外だ。

交換するときの注意点については「【2023年ゴルフルール改正】ラウンド中に破損したクラブの交換が可能に! 交換時の注意点も解説」で確認しよう。
 

【8】2つ以上のルール違反の数え方がシンプルになった

2023年からは、複数の違反の間に「ストロークの終了」「違反に気付く」のいずれかが介在したかによって重課するか決まるようになった。これまでは、これに加えて「複数の違反が関連するかどうか」についても決定する必要があり、判断に時間がかかっていた。

今回の改正によって、バンカーで素振りをして砂に触れると2打罰だが、2回砂に触れたとしても介在した出来事の有無によって2打罰と4打罰と分かれることになる。それぞれのケースについては「【2023年ゴルフルール改正】複数の規則違反に対する罰の適用が、わかりやすくなった!」で解説しているので、確認しておこう。
 

【9】クラブ特性を変えるものに「外部付属物」が明記された

ラウンド中にクラブ特性を変えてプレーすることは違反となるが、クラブ特性を変えるものとして「外部付属物(ステッカーなど)」が追加された。ただし、ストローク前に元の状態に戻せば、罰なしにそのクラブを使用することは可能だ。

クラブ特性の変更についてや、詳しい変更点については「【2023年ゴルフルール改正】クラブ特性を変えるものとして「外部付属物」も追加された」を確認してほしい。

【10】ボール捜索の追加時間が1分と明記された

ボール捜索のタイムリミットである3分ギリギリでボールが遠くで見つかった場合、確認するための時間として1分が追加されることが明記された。ボール探しに使える時間は3分間と決められており、これを超えると紛失扱いになる。これまでも球を確認する合理的な時間が認められていたものの、時間までは指定されておらず、困惑するケースもあったため明記されたようだ。

追加時間が認められるケースや紛失となったときの対処法などについては、「【2023年ゴルフルール改正】ボールの捜索時間3分から延長できるケースが明記された」をチェックしておこう。
  

【11】パットしたボールが虫に当たったときに再プレーできなくなった

グリーン上でパットした球が虫に当たった場合、これまでは罰なしで再プレーしなければならなかったが、2023年の改正によりあるがままにプレーすることが定められた。

また、パットしたボールが偶然人や動物に当たった場合にはこれまで通り再プレーが必要になるが、再プレーしなかった場合に一般の罰(ストロークプレーでは2打の罰、マッチプレーではホールの負け)となり、誤所からのプレーとはみなさないことも明記された。

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