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キャメロンが日本のツアー史上初めて使用率1位に! ミーリングなしの『タイガーフェース』とは?

今季1勝を挙げているクラブ契約フリーの大槻智春は、スコッティ・キャメロンで初日をプレーした(撮影:鈴木祥)

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日◇30日◇東京よみうりCC(東京都)◇7023ヤード・パー70>

国内男子ツアーのシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」が開幕。今年の優勝者と賞金ランキング上位者を合わせて30人しか出場が許されないエリートフィールドの初日に、『スコッティ・キャメロン』使用者が『オデッセイ』を1人上回り、日本のツアー史上初めて1位となった。

内訳は下記の通り。スコッティ・キャメロン使用者は前年覇者の谷原秀人をはじめとして、大槻智春、岩崎亜久竜、堀川未来夢、佐藤大平、幡地隆寛、米澤蓮、ブラッド・ケネディ(オーストラリア)、阿久津未来也、鈴木晃祐、ヤン・ジホ、コー・グンテク(ともに韓国)、ジュビック・パグンサン(フィリピン)の13名。オデッセイは石川遼や今平周吾など12名、ピンは金谷拓実や蝉川泰果など4名、テーラーメイドは賞金王をすでに決めている中島啓太だけとなっている。
 
【日本シリーズ出場者の初日使用パター】
スコッティ・キャメロン 13人(43.3%)
オデッセイ       12人(40.0%)
ピン           4人(13.3%)
テーラーメイド      1人(3.3%)
 
前週までの試合では圧倒的な使用率を誇ったオデッセイ。ツアーに出回っている数自体もオデッセイのパターが圧倒的に多いが、強い選手だけが集った今大会では、それが逆転したかたち。オデッセイのほうが種類自体も豊富に見えるが、実はツアーにあるスコッティ・キャメロンは1本1本がすべて違う。選手たちのこだわりに合わせた一点ものばかりだからだ。

『ホワイトホット』を代表とするフェースインサートを得意とするオデッセイに対し、スコッティ・キャメロンはフェースに細かい溝を入れる『ミーリング』で音や打感を変えている(フェースインサートのモデルもある)。ミーリングなしのパターは『タイガーフェース』と呼ばれ、ボールとヘッドの間に何も邪魔するものはなく、打った感触がダイレクトに手に伝わる。
 
その名の通り、タイガー・ウッズ(米国)が長く愛用しており、ジャスティン・トーマス(米国)や藤田寛之もこれを使う。残念ながら市販品にはラインナップがなく、ツアーだけの供給品となっている。
 
『タイガーフェース』の打感は硬くなるが、やわらかい打感を好む選手には溝が深い『ディープミルドフェース』もある。スコッティ・キャメロンの男子ツアー担当、澤岩男氏によると「打感がソフトになり、ちょっとゆっくりボールが出ていく」という。
 
当然、その間のミーリングも存在する。「松山英樹選手の基本はうっすらミーリング。こだわりが強いので『タイガーフェース』でもないし、これより深いものも嫌なんです」と澤氏は話す。フェース1つとってみても、いろんなオプションがあり、ヘッド形状、ネック形状と合わせると、その組み合わせは膨大な数となる。
 
ツアーでは澤氏が選手たちの意見を聞き、それを「スコッティに伝えて具現化してもらう」。1人1人の好みや性格、プレースタイルを把握した澤氏が、米国にいるキャメロン氏との間に入ることで、こだわりの強い選手たちが満足する1本がようやく出来上がる。
 
「スコッティも日本のツアーを重要に感じてくれているので、早ければ2週間後に手元に届くこともあります。発注内容やスコッティのPGAツアーでの作業量にもよりますが、日本のプライオリティは決して低くはないです」
 
試して合わなければ返却してもらい、再びテストを繰り返して、その選手にとって最高のパターに仕上げていく。「こだわりを持って使用してくれている選手たちが一生使えるような、かけがえのない1本を提供することをいつも考えています」。そんな澤氏の思いと、地道な仕事が日本シリーズでの使用率1位につながった。

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