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米1年目の自己評価は「70点…充実した一年でした」 西村優菜が秋口からの急浮上につながった“転機”を語る

大阪府堺市役所で寄付金の贈呈式に参加した西村優菜が今季を振り返る(撮影:福田文平)

23日に地元・大阪府堺市の堺市役所で寄付金の贈呈式に参加した西村優菜。スポンサー契約を結ぶ住友生命保険とともに、昨年から出場した試合でのバーディ、イーグル、ホールインワンなどの獲得数に応じたポイントを積み立て、子どもたちの支援、環境保全に役立てる取り組みを行っており、今年は100万円を生まれ故郷に寄付した。

そしてその会場では、ルーキーイヤーとなった2023年も振り返った。自己評価について聞かれると「シーズンを通すと70点」という答えが返ってくる。「前半戦はなかなか自分のゴルフをつかみきれなかった。もう少し早い段階からうまくいけば、もう少し違うシーズンになったかもしれない。そういう難しい時期は長かったけど、諦めずに最終戦まで行けたことはよかった。充実した一年でした」。最後は、満足を感じながら長いシーズンを駆け抜けた。

昨年の最終予選会を24位で突破し、3月の「LPGAドライブオン選手権」(アリゾナ州)から新天地での生活をスタートさせたが、その試合でいきなりの予選落ちを喫すると、そこからも歯がゆい時間が続いた。「前半戦はショット面がまとまらず、なかなか自分のゴルフができなかった」というのがその原因。なんとかシーズン中に優先出場順位を見直すリシャッフルをクリアしながら、試行錯誤を続けてきた日々が背景にある。

それでも終盤になり“開眼”。9月の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」(アーカンソー州)で3位になると、10月に中国で行われた「ビュイックLPGA上海」も8位に入り、結果的にはポイントランキング48位で1年目のシーズンを終えることができた。これで同80位までに与えられるシード権のみならず、同60位までが出られるシーズン最終戦にも出場。その事実が、充実感にもつながってくる。

秋になり急激な上昇カーブを描くことになったが、その転機については、9月に帰国し出場した日本ツアーの「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」を挙げる。ホステスプロとして臨み、3位と好成績を残した大会だ。「いい発見があって、その自信をもってアメリカでも戦えた。すごくキーポイントになりましたね」。

それは、タッグを組んだ森本真祐キャディとのやり取りが大きかったという。「ひさびさに見てもらって、『昔とこう違うんじゃない』と言われたことをきっかけに修正できた。技術的にはインパクトがぼやけてしまっていて、なかなか気づけない部分でした。それまでに修正してきたことともつながりましたし、すごく(考え方が)シンプルになり、試合でもできるようになった。大きかったですね」。タイミング的にも、目標に掲げていたシード入りへグングン近づいた時期と重なる。

年末年始は実家でゆっくり過ごし、年明けから2年目のシーズンに向けての準備を本格化させる。24年の初戦をどこにするのかはまだ未定だが、キャンプも計画し、そこでしっかりとクラブを振り続ける。「いくつかは知っているコースを回れるし、そういった意味ではオンオフの切り替えや、スケジュールの組み方ももう少しうまくできそう。今年とは違う戦い方ができるかなと楽しみです」。今はシード選手として迎える開幕を待ちわびている。

今年の目標はシード入りだったが、来年は「優勝」を目指し突き進んでいく。夏にはパリ五輪も控えるが、「頭のなかではオリンピックよりも海外メジャー」と、シーズンに集中することが最優先だ。同学年の吉田優利のほか、稲見萌寧、西郷真央と、来年も新たに3人が海を渡るが、「日本人が増えるとすごく安心感がある。でも『負けたくないぞ』という気持ちも出て、いいモチベーションになると思う。切磋琢磨しながらやっていきたい」とそれも“刺激”になる。

この日メインとなった社会貢献も、「プロとしてプレーするなかで、たくさん応援してもらっている。多くの人に助けてもらっているので少しでも恩返ししたい」という気持ちが根底にある。今年の自身を表す漢字には『学』という1文字をチョイスした。その学びをしっかりと結果につなげ、来年もそのプレーで日本から応援してくれるたくさんのファンに明るいニュースを届けたい。

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