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レジェンズツアーの魅力をもっと伝えたい その存在を知らない人もいる【原田香里のゴルフ未来会議】

昨年の「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ CHOFUカップ」優勝の山本薫里(左)、小林会長、グランドシニアの部優勝の若浦みどり(右)(撮影:GettyImages)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。申ジエ選手の優勝で無事、2023年ツアーも開幕しました。11月末までの長いシーズン、38試合を選手たちの誰もがケガなく戦い続けて欲しいと思います。今日はそのレギュラーツアーとは少し離れて、45歳以上に出場権がある女子のシニア、レジェンズツアーについてみなさんと一緒に考えたいと思います。

このコラムでも何度か触れてきたレジェンズツアーは、QTも行っているのですが、実は試合数が今は3試合しかありません(それぞれの試合に60歳以上のグランドシニアの部があります)。しかも公式戦であるJLPGAレジェンズチャンピオンシップは、開催コースが未定となっています。

昨年までは私の故郷、山口県で行われ、地元企業が協賛して下さっていたのですが、今年はまだスポンサーさんがみつからないのでしょうか。心配です。

レジェンズツアーとは「45歳以上の女子プロゴルファーを対象に、生涯スポーツとしての普及、拡大、社会貢献活動を目的として」04年に始まった女子シニアのツアーです。競技としてのレベルの高さを誇るレギュラーツアー(国内最高峰の女子ツアーです)とは、そもそも目的が違います。

シニアのツアーですから、バリバリの選手たちがプレーするレギュラーツアーに比べれば、体力的な衰えもあり、飛距離が落ちている選手がたくさんいます。けれどもそれを見せることだけでなく、ゴルフの楽しさをより多くの人に伝えるという”使命“を考えれば、もっと様々な展開があってもいいのではないでしょうか。

例えば、プロアマ形式での試合はどうでしょう。試合の前後にプロアマがあるのではなく、試合中ずっとアマチュアの方と一緒にプレーし、プロ同士のスコアで競技として成り立たせるのです。過去にもそういう形式の試合があったのですが、継続することができませんでした。

以前、ツアーではありませんが、女性アマチュアとプレーする形式の試合の話をしたのを覚えていらっしゃるでしょうか。私が優勝した、という報告とともに、みなさんにお伝えしたのですが、あんな形もいいかもしれません。女性アマチュアと女子プロが一緒に回る絶好の機会になります。

もちろん、男性とのプロアマも、飛距離的に私たちと同じだったり、私たち以上だったりするのでやり方次第だと思います。若い選手は華やかさもあり、技も持っていますので、そこはかないませんが(笑)、今までに培ってきた経験や知識があるので、丁寧な接し方ができると思います。

アマチュアの方へのレッスン、コミュニケーションなど、レギュラーツアーにない魅力があると自負しています。私の周りのアマチュアゴルファーには、様々な年代の方がいらっしゃいます。みんな一緒に楽しんでプレーしていただいていると思いますし、私自身も、みなさんとのプレーを楽しんでいます。

最新の技を目の当たりにして、体感することも楽しいと思いますが、そのときのご自身の年齢や体の状態で、自分にもできる技を習得していくのも楽しいものです。ゴルフって無限の楽しさがあって、年齢やジェンダーに関係なく、それが広がるところに魅力があるのではないでしょうか。

ここでこんなお話をしたのは、もっとレジェンズツアーの試合が増えて欲しいという正直な気持ちからです。JLPGA理事時代にもいろいろなところでレジェンズツアーのお話をさせていただいたのですが、なかなか試合実現にはいたらず、厳しい感じであることもわかっています。

ただ自分たちが戦う場が欲しい、というのももちろんあります。JLPGA会員の50%以上が45歳以上のレジェンズ世代ということを考えても、JLPGAの中でその活動の場がもっとあった方がいいと考えるからです。

もちろんレジェンズツアーの目的にもある、ゴルフの普及や社会貢献という部分も大切にしたいと思います。レギュラーツアーでレベルの高い試合を大いに楽しんでいただきたいとも思っています。

一方で「ゴルフは見るより自分がするスポーツ」と思っていらっしゃるゴルファーの方が、多い中、より多くの人に様々な楽しみ方を提案したいし、一人でも多くの方にゴルフに触れて欲しいのです。

これまで、よく聞いたのは「女子にもシニアツアーがあればいいのにね」という言葉です。いえいえ、すでにあるんですよ!と(笑)。レジェンズツアーの存在をご存じのない方もまだまだたくさんいらっしゃいます。何らかの形で、レジェンズツアーに興味を持っていただけるといいなぁ。

様々なことを模索して、さらにレジェンズツアーを広げていきたいと思います。お問い合わせお待ちしております!

■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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