わずか15分で完売!? 会場でしか手に入らないレアグッズ『マスターズ・ガーデン・ノーム』って?【マスターズに初潜入】
世界4大メジャーのなかで唯一毎年同じコースで行われる「マスターズ」。その舞台となるオーガスタ・ナショナルGCは、マスターズを開催するために作られた超プライベートコースだ。初めてマスターズを取材する記者が、実際に見たオーガスタの不思議を紹介する。
今年の「マスターズ」はジョン・ラーム(スペイン)の優勝で幕を閉じました。最終日は松山英樹プロが上位でプレーしたこともあって、目をこすりながらテレビの前で声援を送った人も多いのではないでしょうか。
今回のオーガスタで見た不思議は“お土産”の話。「全米オープン」のグッズは会場に行かなくてもオンラインショップで買えたり、米国の空港に並んでいることもありますが、マスターズにはオンラインショップがなく、オーガスタ・ナショナルGCの敷地内にあるゴルフショップでしか買えません。入場ゲートが開くとすぐに、パトロンたちはコースよりも先にゴルフショップに向かいます(すぐコースに入れないのも理由)。そうしないと買えないレア中のレアグッズがあるからなんです。
最初、それの存在に気づきませんでした。なぜなら、パトロンたちは朝7時にゴルフショップに入れますが、私たちメディアは8時にならないと入ることができないからです。15分以内に売り切れると話題のアイテムは『マスターズ・ガーデン・ノーム(妖精)』。庭用の置物で、正直あまりかわいくない白ヒゲのおじさんです。2023年バージョンは水色のポロシャツに短パンの出で立ちで、左手にはコース内の売店で購入できるビールやソフトドリンクのカップを重ねて持っています。
16年にデビューしたこの『マスターズ・ガーデン・ノーム』は、マスターズでキャディが着用する白いつなぎを着ていたり、赤いニットを着ていたりと、年によってデザインが変わるようで、コレクターもいるほどの大人気。これを買ったパトロンに聞いたところ、値段は49.50ドル。しかしこれがeBayやMercariに転売されると300~400ドルくらいにアップ。調べてみると、どうやら一日700個の限定販売で1人1個までしか買えないようです。
私たちは早い時間に入れなかったため『マスターズ・ガーデン・ノーム』をゴルフショップで見ることはできませんでしたが、それ以外のお土産を購入したので紹介したいと思います。
一番多くの種類があるのがキャップ。デザインと色の違いで30種類以上はあったでしょうか。私は9個購入しました。『AMEN CORNER』とロゴが入ったものなどほとんどは32ドルで、ちょっと生地がいいものだと38ドル。最終日にゴルフショップをのぞくと、人気のデザインや色はもう在庫なし。他に、ゴルフシューズケースは35ドル、旅行するときやガジェットケースとしても使える小物入れは25ドルでした。
まだまだいきます。タイトリストPRO V1のマスターズのロゴ入り1ダースは68ドル、4個入りのボールマーカーは20ドル、キャディバッグに付けるネームタグは1個18ドルとお土産として手頃です。定番のマスターズカラーのピンフラッグは1枚30ドル、歴代優勝者の名前が刻まれた金属プレートは38ドル。自分用には129ドルのレインジャケットを購入し、32ドルのTシャツは3枚チョイス。マスターズ効果であまり値段を見ずに買ったその合計は969ドル(税別)でした…。
ちなみに、予選ラウンドで比嘉一貴プロと一緒に回っていたセルヒオ・ガルシア(スペイン)がパー3コンテストのときと、大会2日目にかぶっていたピンク色の『Azalea』のキャップも購入することができます。『Azalea』は今年35ヤード伸びて545ヤードになった13番パー5の別名でもあるんです。
番外編のお土産は、オーガスタが面しているワシントンロード沿いの『HOOTERS(フーターズ)』でメジャー通算2勝の“悪童”ジョン・デーリー(米国)から買ったライオンのヘッドカバー。こちらはオンラインでも買えますが50ドルでした。デーリーはかつてフーターズとスポンサー契約を結んでいて、79年からマスターズウィークは店に現れてグッズの売り上げをチャリティしています。
選手としてマスターズに出場していた時代もラウンド後は店に顔を出していたとか。ここはマスターズの定番スポットの1つなんです。デーリー曰く「先週の土曜日からマスターズウィークの日曜まで毎日いるぜ。日本人もけっこうくるんだぜ。正直売り上げのことはよくわからないな」とのこと。
フーターズといえば、タンクトップにホットパンツという格好をしたフーターズガールがチキン・ウィングやお酒を運んでくれるカジュアルバー。楽しくお酒を飲みながらデーリーと写真を撮ったり触れ合うことができるんです。この原稿を書く時間があれば、最終ラウンドのあと飲みに行けたのですが…。(文・下村耕平)
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