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最終18番は「追い込まれていた」34歳・小鯛竜也がシード獲得へ希望を繋ぐ“起死回生”イーグル

予選を通過した小鯛竜也(撮影:ALBA)

<三井住友VISA太平洋マスターズ 2日目◇8日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

賞金ランキング65位がシード獲得のボーダーとされるなか、同ランキング74位(704万6733円)と来季の“職場”確保へ、まさに崖っぷちに立たされる34歳・小鯛竜也。17番ホールまで予選通過は厳しい位置にいたが、最終ホールの劇的イーグルで決勝進出へ滑り込んだ。

序盤から苦しい展開となった。スタート1番でいきなりOBとしてダブルボギーを叩くと、続くホールでもボギー。9番で一つ取り返すも、後半も悪い流れは続き4ボギーを喫し、17番までにトータル6オーバーとしていた。

そして最終18番では、ティショットを修理地に入れてドロップ。ベアグラウンドからユーティリティを放つとピンおよそ1メートルにつける起死回生のショット。「追い込まれていたので、イーグルしかないと思った」。きっちりイーグルパットを沈め、18番を取り囲むギャラリーから大きな拍手を受けた。結果的にこの「-2」が決勝ラウンド進出の決め手となった。

「出だしでバタバタして、そこから耐えられればと思っていたのですが、立て続けにボギーにしちゃって…。後半は全部、外してはいけないところに外して寄せることができなかった。厳しい状態でした」と第2ラウンドを振り返った。

さらに、ここに来て頭によぎるのはシード権争い。昨年、2017年から確保し続けていたシードを手放す結果となり「すごく苦しい一年でした」と回想する。2018年は賞金ランキング62位、19年は57位、20-21年は65位、22年は67位(義務試合数不足選手5名を除く70位までにシード権)と毎年のようにシード争いに身を投じてきたこともあり「何回も経験があるので。追いかける方が気持ちは楽なのかな」。プレッシャーが無いわけではないが、まだシード獲得が見える位置に入れることは「いいこと」で決してマイナスに捉えていない。

次戦は「ダンロップフェニックス」となるが、小鯛に残された出場資格は「直近のツアートーナメントで成績上位10位以内の者」ということで、今大会の結果次第では、自身最終戦は2週後の「カシオワールドオープン」になる可能性がある。職場確保へのチャンスがどんどん狭まるなか、「ここから賞金もすごく高くなるので1打1打を大事にしたい」。いつも以上に力を込める。

10月の「日本オープン」では難コンディションとなった東京ゴルフ倶楽部で最終日は「69」をマークし16位に。「難しいコースであそこまでやれたのは良かった」と、今のゴルフの状態に手応えも感じている。「4日間を戦って、ビッグスコアを出せば分からない」。決勝進出に望みを繋いだ“イーグル”を無駄にしないよう、ここから巻き返し図る。(文・齊藤啓介)

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